温かい文章に、人柄にひかれた、ほれた

 記者:さとう裕

 「美味しいビールが飲めるで」と誘われてキリンビール尼崎工場に行ったのが、黒田さんとの出会いでした。

最初はテレビに出てる偉い人という感じ。ま、ただのミーハーやったんです。「窓友会に入ったら」と言われて、黒田さんてどんな人やろと、恥ずかしい話、そこで初めて文庫の『窓』を何冊か読んだんです。もうびっくりで、電車で読まれへん。泣けて泣けて。恥ずかしいて。こんなに温こうて、でっかくて、ほんで真っ直ぐな人がいてるんや。感動と感激で、己の不明を恥じた。

初めて本をだした時、全盲の落語家笑福亭伯鶴さんとの対談を頼んだら、「ああ、ええよ」といとも気軽に応じていただき大感激。ところが、売れ行きが今一つ。黒田さんに相談したら、「実は僕も本は売れないんや」と励まされ、ある書店を紹介していただいた。その書店を訪ねたら、すぐに平積みしてくれた。

障害を持つ娘のことを相談したら、「信州へ乗馬に行こう」と誘われ、娘も大喜び。しばらくしたら、「あそこに泊まれる部屋作ったから、また、いつでも行ってや」。と言っていただいた。世の中のおかしなことやら不正には真正面から物を言うてはったけど、懐の大きなええ人でしたなあ。

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