ハシズムとナチズム

ナチスが共産主義者を攻撃したとき、私は少し不安であったが、行動に出なかった。
共産主義者でなかったので。
次にナチスは社会主義者を攻撃した。
私はさらに不安を感じたが、社会主義者でなかったから何も行動に出なかった。
ナチスは学校・新聞・ユダヤ人などをどんどん攻撃し、私はそのたびに不安を増したが、それでもなお行動に出ることはなかった。
それからナチスは教会を攻撃した。
私は牧師であったから行動に出たが、そのときはすでに遅かった。

ナチス・ドイツ抵抗運動者のマルチン・ニーメラー牧師の言葉である。

このところの「橋下維新の会」礼賛報道の中に身を置いていると、その悔恨の告白を思い出す。
今の大阪では――。

橋下氏が教職員に日の丸・君が代を強制したとき、私は少し不安であったが、声を上げなかった。教職員ではなかったので。
次に橋下氏は労働組合を攻撃した。私はさらに不安を感じたが、組合員ではなかったから何も行動に出なかった。
橋下氏は文楽・大阪フィルハーモニー交響楽団・朝鮮学校などをふどんどん攻撃し、私はそのたびに不安を増したが、それでもなお行動に出なかった。
それから橋下氏は新聞などの言論機関を攻撃した。私は記者の一人として立ち上がったが、そのときはすでに遅かった。言論の自由を保障する憲法がすでに改悪されていたから…。

きょう8日の「新聞うずみ火」講座のテーマは「ハシズムとナチズム」。
講師はドイツ近現代史研究の第一人者で、大阪大学大学院准教授の木戸衛一さん。
国政進出を狙う「橋下維新の会」とヒトラー率いるナチスとの共通点などをわかりやすく語っていただく。
ハシズムはナチズムになるのか、そのときに私たちの行動は? 木戸先生の講演に耳を傾けつつ、私なりに想像力を働かせたい。 (矢野宏)

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