リバティおおさか

逆風の中、運営継続へ一歩

記者:栗原佳子

大阪府と大阪市が来年度の補助金全廃を打ち出し存亡の危機に立つ「大阪人権博物館(リバティおおさか)」。逆風にさらされながらも、来年度以降の運営継続に向け、具体的に動き始めた。

リバティおおさかは1985年、大阪市浪速区に開館した国内初、かつ唯一の人権総合博物館。国内の様々な人権問題の資料3万点を収蔵。これまで国内外から145万人が訪れた。
しかし4月20日、視察に訪れた橋下市長は「いつもの差別と人権のオンパレード」などと攻撃し、来年度以降の補助金全廃を決定。松井知事も同調した。


リバティは府と市などで設立した財団法人が運営。年間収入1億4000万円のうち85%が府と市の補助金だ。既に「橋下府政」下の2008年から補助金が大幅カットされ、特別展開催などに苦慮してきた。今年度の補助金は当初予算の2割減。橋下市長は「これで最後だ」と断言している。

しかし、そもそも橋下市長が批判した現在の展示は府知事時代の本人の指示でリニューアルしたもの。府側は一字一句をチェック、完了の暁には当然、「知事」が認可している。

理不尽なリバティ潰しに対し、市民による支援の動きも始まっている。

「リバティおおさかの灯を消すな全国ネット」は署名やカンパをスタート、「リバティおおさかを応援する!プロジェクト」と題し、施設を利用してイベントを企画するという若者中心のグループも生まれた。

そんな支えに後押しされるように、リバティは来年度以降も運営を続ける方針を決定。10月4日に開いた記者会見で成山治彦理事長は「リバティの果たしてきた役割から、今後も公的支援を府と市に求めていく」と述べるとともに、自主財源確保による自立化の道を探る2本立ての道筋を示した。

リバティは明治時代に大阪で2番目の小学校として開校した栄小学校の跡地に建つ。周辺は皮革産業が盛んな地域で、地元の人たちの募金によって、木造が当たり前の時代、鉄筋コンクリート3階建ての校舎が建った。リバティの建物は、この校舎の一部をそのまま生かしている。部落差別問題の解決と啓発に寄与することを目的に開館。1995年、2005年とリニューアルを重ねるなか、さまざまな差別や人権問題を対象とする人権に関する総合博物館になった。
「この施設の役割は、子どもが夢や希望を持つため、克服すべき差別と人権に焦点をあてること。ここで歩みを止めるわけにはいきません。人権に関心のある人たちによって支えられ、発展するリバティおおさかを目指したい」(成山理事長)

自主財源確保に向けては寄付金を募る制度も導入、HPなどで呼びかけ始めた。サポーター(個人)は年間一口6000円、スポンサー(企業・団体)は一口100万円と10万円の2種類。問い合わせはリバティ(06・6561・5891)へ。

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