ジャーナリスト講座開講

記者:鈴木祐太

「新聞うずみ火」主催の「ジャーナリスト講座」が11月10日、大阪市北区のキャンパスポート大阪で開講した。初日は毎日新聞夕刊編集長の松井宏員さんが『掘り起こすということ』と題して講演、フリージャーナリストで新聞うずみ火共同代表の西谷文和がシリア・アレッポでの取材を振り返った。2日目の17日は朝日放送コンテンツ事業課長の野下洋さんが『ネット全盛時代のテレビジャーナリズム』について語り、毎日放送ディレクターの津村建夫さんが『原発とメディア』と題して講演した。講演要旨を紹介する。

「感性と想像力」で迫れ
毎日新聞 松井宏員さん

記者クラブに属さない特別報道部にいた1994年、日本商事のインサイダー取引事件を追った。一枚の売買取引証明書が始まりだった。一人の社員が割れ、直当たりをした。これがきっかけになり、特ダネとして新聞に掲載した。

同時進行で、薬害がなぜ起きたのかを調査した。治験中に死亡事故が起きたことを掴み遺族を探したが「京都在住50代」という情報しかない。苦労して突き止め、遺族にも医者にも副作用が知らされてなかったことを暴いた。

93年に沖縄・八重山の戦争マラリア事件を追った。日本軍はマラリア有病地帯に住民を強制疎開させ、特に波照間島では島民の3分の1が死亡した。その島に送り込まれた陸軍中野学校出身のスパイは滋賀で社長になっていた。

調査報道はパズルのピースにならないものを集めていく作業。しんどいが人探しの過程や人に会って話を聞くのが楽しい。記者は「感性と想像力」が大事だ。

戦争の背後に見えるもの
ジャーナリスト 西谷文和さん

シリアでは病院が狙われていた。アサド軍の残虐さの生き証人にさせないためだ。
いま、シリアにいるのは覚悟を決めた兵士か、貧しい人たちしかいない。お金持ちは出国し、英語を話す人があまりいない。地上戦では自由シリア軍が優勢だが、制空権はアサド軍が握っている。本来、国連が入りアサド大統領を除いた上で和平合意させるしかないが、大国の思惑で簡単にはいかない。

宗教や民族などいろいろな口実があるが、戦争には結局は、経済が絡んでいる。戦争をすることで経済も雇用も助かる。EUや米が売った武器でお互いが戦争をしていて、不況を乗り切るために金融と軍需に頼っているのが現状だ。

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