ピースおおさか 改正計画に修正・反対要望

2015年の展示リニューアルを目指す「大阪国際平和センター」(ピースおおさか、大阪市中央区)は11月27日、計画の基本設計を発表した。太平洋戦争中に日本がアジア諸国に対して行った加害行為などを大幅に縮小する内容で、国内外から批判の声があがっている。

ピースおおさかは1991年、大阪府と市が共同出資し開館した。「戦場となった中国を始めアジア・太平洋地域の人々、また植民地下の朝鮮・台湾の人々にも多大な危害を与えたことを、私たちは忘れてはならない」という設置理念の下、先の戦争の加害・被害の両面から展示されている。

しかし、今回の計画は「大阪中心」「子ども目線」をうたい、南京大虐殺などを展示してきた15年戦争のコーナーは、「世界中が戦争をしていた時代」とされ、展示スペースも大幅に縮小される予定だ。これに対し、市民からは「大阪中心、子ども中心というのは加害を消すための口実に過ぎない」などの厳しい指摘がある。 設置理念がないがしろにされるという懸念の声に対し、担当部局の大阪府民文化部・大阪市教育委員会は「設置理念は(ピースおおさかを運営する)財団のことなのでお答えできない」。一方、ピースおおさかの岡田重信館長は「計画は監修委員会で行っている」との返答を繰り返している。有識者4人でつくる「監修委員会」は府市特別顧問の橋爪紳也氏(大阪市立大教授)が座長を務める。

計画発表を受けて、市民団体「ピースおおさかの危機を考える連絡会」が12月6日、橋下徹大阪市長、松井一郎大阪府知事にあて、リニューアル構想反対の署名6662筆を、大阪府・市の担当部局に提出。その6日後には「考える会」との交渉の場が設けられた。担当者は、「署名は市長・知事には見せていない」という誠意のない回答だった。

15日には、「考える会」などでつくる「ピースおおさかのリニューアルに府民・市民の声を実行委員会」のメンバーがピースおおさかを訪問、岡田館長と交渉の場を持った。実行委の所属団体はそれぞれ要望書を渡し、反対意見や修正すべき点を指摘。岡田館長は「情報公開の視点からみると不十分な点があるかもしれないが、できる限りの説明をし、館長としてできる範囲でよりよいリニューアルを目指す」と説明した。

来年2月に始まる府議会、市議会で、リニューアルに向けた予算が審議される予定になっている。来年秋頃には工事に入り、ピースおおさかは休館となる。一方で、橋下市長が建設を打ち出した「近現代史学習施設」は現在、基本設計の業者を募集しており、来年度には基本設計のための予算が計上される予定となっている。(箕面市 鈴木 祐太)

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