新聞うずみ火が昨年開講した「大阪カジノを考える連続講座」をベースにしたブックレット「大阪IR・カジノ誘致を止める次の一手」が、せせらぎ出版から刊行された。

講師は3人。阪南大教授で「カジノ問題を考える大阪ネットワーク」代表の桜田照雄さんが「夢洲カジノ問われる誘致の是非」と題して「大阪カジノは日本最大のパチンコ屋になる」と訴え、立命館大教授で地方財政学が専門の森裕之さんは「カジノ・夢洲整備で大阪は破たんする」として「まるでハゲタカファンドと契約するようなもの」と指摘。反カジノの論客で前堺市議の野村友昭さんは「大阪カジノ・IR計画を止める次の一手」について、4月の統一地方選を争点にと力説した。

なお、出版に当たっては、その後の情況の変化に応じ、加筆・訂正いただいた。

また、3人の講演録に加え、父や弟がギャンブル依存症になり、その怖さを身近で体験した堺市中区の山口美和子さんの話を紹介したほか、「IR・カジノ年表」も添えている。

大阪IR・カジノをめぐっては、大阪府が昨年4月に申請した「区域整備計画」を国の有識者委員会が審査している。府と市は当初、昨年秋ごろには認定されると想定していたが、国の結論は越年した。理由は夢洲の地盤への懸念だ。有識者委員会は軟弱地盤などの知見を有する3人をオブザーバーに選定した。

カジノを許せば地盤が、大阪の経済が、私たちの暮らしが沈む。この問題をおさらいする一冊だ。定価660円。