「豊中に平和と人権に関する資料館を求める会」事務局の山東健さん(78)が企画・監督を務めたドキュメンタリー映画「神崎川―豊中南部空襲6月7日の記録」(50分)がこのほど完成し、12月17日、豊中市立地域共生センターで上映会を行う。
 

太平洋戦争末期の1945年6~7月、豊中市は6回の空襲に見舞われ、計575人が犠牲になった。最も被害が大きかったのが6月7日の第3次大阪大空襲だった。来襲したB29は409機。初めて1㌧爆弾が投下されたあと、焼夷弾による爆撃、さらには138機の米戦闘機P51ムスタングによる機銃掃射も加わった。
 

実はこの日の攻撃目標は大阪陸軍造兵廠だった。現在の大阪ビジネスパーク、大阪城公園の東部と大阪環状線を挟んだ東側に広がる東洋一の軍需工場だ。だが、大阪の上空に梅雨前線が張り出し、豊中市や隣接する吹田市などを「誤爆」したものと見られている。
 

神崎川をはさみ大阪市淀川区に隣接した豊南地区は、当時は豊能郡小曽根村だった。農地が広がる中に軍需工場が立地しており、大きな被害を出した。
 

上映会は午後2時から。公開に先立ち、ドキュメンタリー「流言飛語百年」などを制作した毎日放送ディレクターの亘佐和子さんと「神崎川」の監修・語りをつとめた矢野との対談が予定されている。制作カンパ1000円。問い合わせは山東さん(090・3275・9521)まで。