一度もお会いしたことがない、二度とお目にかかることもできないウィシュマさんに、せめて手を合わせ、冥福を祈りたいと、5月16日に名古屋市内で営まれた一般焼香に参列した。祭壇の真ん中でたくさんの花に囲まれた遺影は笑顔だったが、ひつぎの中の彼女は痛ましいほど痩せ細り、安らかな表情には見えなかった。焼香のあとの葬儀で、妹のワヨミさんのあいさつに心が痛んだ。

「姉が大好きな国で亡くなるなんて……」「姉のように亡くなる人が二度と出ないようお願いします」

2日後、政府・与党は入管法改正案の成立を断念する。ウィシュマさんの死亡事件をきっかけに、入管施設での外国人の劣悪な待遇が明るみに出たことで数多くの市民がノーを突きつけたからだ。

入管法改悪を阻止したものの、真相究明は残されている。大好きな国でなぜ、死に追い込まれたのか。それを明らかにすることが第二のウィシュマさんを出さないための一歩となるに違いない。

「ニュースなラヂオ動画班」で振り返らせていただいた。

 

https://www.youtube.com/watch?v=xCqIGpjG-5E&t=96s