新聞うずみ火 最新号

2019年7月号(NO.165)

  • 1面~3面 陸上イージス配備計画「住民に広がる不信」(栗原佳子)

    政府が秋田と山形に配備を目指す地上型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」。突然、配備候補地とされた地域に反対の声が広がる中、6月上旬、候補地の一つ、陸上自衛隊新屋演習場(秋田市)に関する調査データミスが発覚、説明会での防衛省職員の居眠りと相まって住民の怒りに拍車をかけた。そもそも、なぜイージス・アショアなのか。もう一つの候補地、陸自むつみ演習場(山口県萩市、阿武町)をめぐる住民説明会に向かった。

  • 4面~5面 日米首脳「かが」視察 「集団的自衛権」内外にアピール(矢野宏)

    トランプ米大統領の4日間にわたる日本訪問。最終日の5月28日には、安倍首相とともに海上自衛隊の護衛艦「かが」を視察した。米国の大統領が海自の艦艇に乗るのも、日米の首脳がそろって自衛隊・米軍を激励するのも初めてのこと。安倍首相はなぜ、トランプ大統領に「かが」を見せたのか。強固な日米同盟を国内外に発信した首相の狙いは……。安倍政権下で急速に変わる自衛隊を追った「安保法制下で進む! 先制攻撃できる自衛隊」(あけび書房)を出版した東京新聞論説委員の半田滋さんに話を聞いた。 

  • 6面~7面 丸山衆院議員暴言「露呈した北方領土軽視」(粟野仁雄)

    旧島民らのビザなし交流団に参加して北方領土の国後島に上陸していた丸山穂高衆院議員(35)が、同島出身の団長、大塚小彌太さん(89)に「戦争ありき」を執拗にふっかけた暴言問題。国会は与野党が一致して「国会議員の資格がない」と断定、事実上、議員辞職を促す「糾弾決議案」を衆院へ提出し本会議で可決された。これに対して丸山氏は国会へ出した弁明書で「人民裁判だ」と反論し、辞職を拒否している。

  • 8面~9面 ヤマケンのどないなっとんねん「改憲より切実 国際情勢」(山本健治)

    ここ最近、書いたばかりの原稿を書き直さざるをえない事件が次々と起き、日本も世界も激しく動き、混乱と混迷、対立と紛争が続き、不安と不満、鬱屈と憎悪が渦巻き、いつ爆発しても不思議ではない状況に生きていることを実感しないわけにはいかない。……

  • 10面~11面 世界で平和を考える「避難民キャンプ」(西谷文和)

    先月号では北イラク・スレイマニア市郊外のキャニゴマ刑務所から、「イスラム国(IS)」に騙されて自爆テロ要員にされた元兵士のインタビューを掲載した。このキャニゴマ刑務所はIS兵士専用の刑務所で、約500名が収容されていた。北イラクのクルド人地域ではまだクルド軍とISの戦闘が終わっておらず、主要都市では散発的なテロがあり、まだ不安定な状態だった。そんな中、まだ故郷に帰ることができない人々は、避難民キャンプで5年目の春を迎えていた。

  • 12面~13面 ゴジラと憲法「小林圭二さん 安らかに」(高橋宏)

    5月31日、マイケル・ドハティ監督のアメリカ映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』が世界同時公開され、まずまずの興行成績を収めている。この映画の公開と、今年が第1作『ゴジラ』が公開されて65周年に当たることから、NHKラジオが6月2日、『襲来!ゴジラジオ』という特別番組を放送した。第1作で主演した宝田明さんがゲスト出演し、アメリカで再編集された『怪獣王ゴジラ』について、次のように語っている。……

  • 14面 小林圭二さん死去「社会と学問つなぐ」(小出裕章)

    原子力の安全性を問い続けてきた京大原子炉実験所(現京大複合原子力科学研究所)の研究者たち「熊取6人組」の一人、小林圭二さんが5月27日、すい臓がんなどのため亡くなった。80歳だった。同じ6人組の小出裕章さんの追悼文を紹介する。

  • 15面 戦争の断片「10・10空襲」(矢野宏)

    「空襲だ、空襲」。近所の大人たちが叫んでいる。着のみ着のまま飛び出すと、「ドドーン」という爆撃の音が轟き、那覇港で黒煙と炎が上がった。1944年10月10日の朝、沖縄本島の東、約280㌔沖に米軍艦隊245隻が集結。午前6時40分から午後5時にわたり、艦上戦闘機など延べ1396機が沖縄を中心に奄美大島以南の南西諸島の主な島々に波状攻撃を加えた。世に言う「10・10空襲」である。……

  • 16面 天王寺夜間中学50年(栗原佳子)

    戦争や貧困などのため義務教育を受けられなかった人たちが学ぶ大阪市立天王寺中学校夜間学級(大阪市天王寺区)が創立50年を迎え、同窓会主催の「記念のつどい」が6月2日、同校体育館で開かれた。同校は関西の夜間学級(夜間中学)の先駆け。同校はじめ各校の卒業生や在校生ら200人が参加、半世紀の歩みを振り返りながら、これからの夜間中学のありようを語り合った。 

  • 17面 大阪で慰霊法要「空襲の記憶 語り継ぐ」(矢野宏)

    太平洋戦争末期、8回を数える大阪大空襲で最も凄惨な無差別攻撃と言われる第3次大空襲から74年となる6月7日、旭区の城北公園にある「千人塚」近くの常宣寺で慰霊法要が営まれ、遺族や地元住民ら約70人が参列した。  

  • 18面 読者近況 熊谷博子さん、大垣さなえさん、根橋敬子さん(矢野宏)

  • 19面 「路上のラジオ」スタート(西谷文和)

    米国の兵器は爆買いするのに奨学金には利子をつける政府の姿、福島原発の廃炉への課題やいまだに帰還できない人々の生活、強引に進められていく沖縄の新基地建設工事、森友・加計学園問題のその後、南スーダンに派兵されていた自衛隊の総括、そして平和憲法を変えていいのかどうかについての真面目な議論などなどは「忘れられたかのような」扱いになっていくだろう。そんな現状をなんとかしたくて、5月10日から「西谷文和 路上のラジオ Radio On The Street」を始めることにした。

  • 20面 経済ニュースの裏側「電気を貯める」(羽世田鉱四郎)

    2018年に公表。自然エネルギーを主力電源に格上げしながらも、原子力発電の維持に狂奔した内容です。炉心や核燃料が溶けたデブリの取り出しもままならず、廃炉は夢のまた夢。20兆円をはるかに超えることも予想されています。またテロ対策の不備で、来年3月から9基が停止します。世界に向けて「福島原発事故の汚染水は、完全にコントロールされている」(安倍首相)と言い放ったフェイクニュースには、腹立たしさを覚えます。……

  • 21面 会えてよかった「武村豊さん②」(上田康平)

    取材は2019年2月。豊さんを訪ねると、おうちの近くの母校、沖縄県立第二高等女学校(二高女)跡を案内してくださった。そこは福州園の道向かいで、那覇市の松山公園になっている。豊さんは、向こうに校舎があって、トンネルを通って運動場に出たこと、あそこのカ―(水が湧くところ)は当時からあったこと、そんなことを話してくださった。二高女記念碑『白梅の乙女たち』の近くに先輩の卒業生が植えたという白梅があり、清楚な花が一輪咲いていた。……

  • 22面 落語でラララ「襲名」(さとう裕)

    歌舞伎の市川海老蔵が、来年5月、十三代目市川団十郎を襲名する。初代団十郎は、落語が成立した元禄時代頃に活躍した人気役者。その名跡が延々と受け継がれ、現代においても人気を博すのは、誠に目出たいことだ。襲名と言えば、古典芸能では代々名人の名前が受け継がれている。……

  • 23面 100年の歌びと「赤いスイ―トピー」(三谷俊之)

    山口百恵が引退した1980年、松田聖子が入れ替わるようにデビューした。聖子は「貧困」や「飢え」を知らない少女だった。福岡県久留米市出身。父親は社会保険事務所所長で地元の名士である。卓抜なフェミニズム論でもある『松田聖子論(増補版)』(朝日文庫)を展開した小倉千加子は、聖子は百恵と違って、「〈近代家族の退屈〉という温室の中で育った、芸能人としては希有のケースに属する少女」と位置づける。生まれた時代と高度経済成長の軌跡がシンクロし、豊かさの中で育ってきた世代である。……

  • 24面 坂崎優子がつぶやく「実家が売れた③」

    広告に載せる写真を撮るために片付けを開始したのですが、結局片付く前の、当たり障りのない数枚の写真と、自宅周辺写真を使って広告は出来上がってしまいました。……

  • 25面~29面 読者からのお手紙&メール

  • 27面 車イスから思う事(佐藤京子)

  • 30面 平和学習を支える会(矢野宏) 編集後記(矢野宏、栗原佳子)

    戦後74年、戦争体験を持たない人が人口4分の3を占めるようになり、あの惨禍も遠い時代のことになりつつあります。「平和学習を支える会」は、学校や職場、地域などにおける反戦・平和のための学習会や講演会を様々な面から応援します。戦争体験者やジャーナリストを平和学習などの講師として紹介するほか、空襲体験者の証言DVDの上映会などを企画段階からお手伝いします。……

  • 31面 うもれ火日誌

  • 32面 8月10日(土)黒田さん追悼ライブ

    黒田清さんが亡くなって19回目の夏。「黒田さんを追悼し、平和を考える集い」を8月10日(土)、ことしも大阪・豊中市で開きます。5年連続でコント集団「ザ・ニュースペーパー」結成時のメンバーである松崎菊也さんと石倉チョッキさんによる風刺トーク&コントライブです。……

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