新聞うずみ火 最新号

2019年5月号(NO.163)

  • 1面~3面 令和に「あり方」考える(矢野宏)

    天皇退位に伴い、5月1日に新天皇が即位し、元号も「令和」に改まる。新時代の幕開けに歓喜する祝賀ムードに包まれても、昭和や平成に残した「負の遺産」が消えるわけではない。そもそも天皇制とは何か、改元とは……。「天皇制と部落差別」(解放出版社)や「日本会議とは何か」(合同出版)の著者で、元大阪市立大教授の上杉聰さんは「天皇制と部落差別は相似形だ」と指摘する。4月12日に開講した「うずみ火講座」を振り返り、天皇制はもとより、令和の意味についても考えてみたい。       

  • 4面~5面 大阪ダブル選を振り返る(矢野宏)

    統一地方選前半戦で注目を集めた大阪府知事・市長のダブル選は4月7日投開票され、知事選は前市長の吉村洋文氏が、市長選は前知事の松井一郎氏が初当選した。維新は同時に行われた府議選でも過半数を獲得、市議選は過半数に2議席足りなかったものの第一党を維持したことで、大阪市を廃止して特別区を設置する「都構想」の賛否を問う住民投票が年内にも再び実施される可能性が出てきた。このまま押し切られるのか。関西学院大教授の冨田宏治さんは「維新が圧倒的に強いと見るのは幻想だ」と指摘する。 

  • 6面~7面 宮古島・奄美大島で進む基地開設(栗原佳子)

    「防衛の空白を埋める」などとして政府が南西諸島で進める陸上自衛隊の配備計画。3月末には宮古島と奄美大島に新しい基地が開設された。現地を取材した。
    クリーム色の外壁と赤瓦の屋根。3階建ての真新しい隊舎が並ぶ。カーキ色の軍用車両とカラフルな滑り台などの遊具。催し物があるのか、多数の家族連れの姿があり、和気あいあいとした雰囲気がフェンス越しにも伝わってくる。…

  • 8面~9面 「松橋事件」再審で無罪判決(粟野仁雄)

    苦節34年、老人施設に暮らす高齢男性が遂に「人殺し」の汚名を晴らした。
    殺人罪で服役、出所後の再審請求が認められた熊本市の宮田浩喜さん(85)について、熊本地裁(溝国禎久裁判長)は3月28日、「被告が犯人だと示す証拠はない」と無罪判決を言い渡した。検察は上訴せず再審無罪が決まった。…

  • 10面~11面 ヤマケンのどないなっとんねん(山本健治)

    統一地方選の後半、衆議院大阪12区と沖縄3区の補欠選挙が行われている。本号が読者の手元に届く頃には結果が出ている。大阪と沖縄は別として大きな変化はみられないだろうから、安倍首相はメディア受けすることをして、テレビに出ている限り支持率は下がらないと考えているだろうが、安倍一強体制の傲慢と弛緩、利益誘導・忖度政治に対する不信と不満は、いつ噴火してもおかしくない状況にあり、大阪ダブル選惨敗で自民党の深層崩壊が明らかになったことを知るべきだろう。…

  • 12面~13面 最新ルポ「イラク社会の今」(西谷文和)

    2019年4月、イラクに入り「戦争と性暴力」について取材した。戦争は女性や子どもの人権を蹂躙しながら疑心暗鬼の社会、格差社会を作り出している。「イスラム国(IS)」に拉致され「奴隷妻」にされた女性たち、そんなISに騙されて兵士になり、自爆テロ要員となった若者。どちらもこの戦争の被害者である。そんなイラク社会の今をリポートする。

  • 14面~15面 ゴジラと憲法「芹澤博士 必死の覚悟」(高橋宏)

    いよいよゴジラとの決戦の時がやってきた。船上から実況中継をするアナウンサーが「ただ今、ガイガーカウンターは、はっきりゴジラの所在を突き止めました」と伝える。科学者が計測器を海面に向けると、放射能を感知した音が鳴り響く。海面で感知できるほど、ゴジラは強い放射能を帯びているわけだ。…

  • 16面 済州4・3事件 71年(栗原佳子)

    韓国現代史最大の悲劇ともいわれる済州島の「4・3事件」から71年。大阪市天王寺区の統国寺で4月3日、「追念のつどい」が行われた。 
    「4・3事件」は1948年4月3日、約50人が武装蜂起したのに端を発し、約3万人の島民が犠牲となった。済州島出身者が多く暮らす大阪に逃れた島民は5000人とも1万人ともいわれる。…

  • 17面 旧真田山陸軍墓地(栗原佳子)

    JR大阪環状線玉造駅から徒歩約5分。真田山に、石の墓標が林立する一角がある。旧真田山陸軍墓地だ。敷地面積1万5090平方㍍で、全国で90カ所以上あったとされる陸軍墓地の中で最大規模。設置されたのは1871(明治4)年と最も古い。西南戦争以降の個人墓碑5090基以上、合葬墓碑5基、敷地内の納骨堂にも骨壺・骨箱8249本がおさめられているという。…

  • 18面 映画「主戦場」(栗原佳子)

    日韓間でくすぶる「慰安婦」問題に一石を投じるドキュメンタリー映画『主戦場』が4月27日、大阪・第七芸術劇場、京都シネマ、名古屋シネマテークで公開される。監督は日系アメリカ人2世のドキュメンタリー映像作家、ミキ・デザキさん(35)。歴史認識で対立する研究者らの主張を交互に配置して論点をあぶり出し、「慰安婦」問題を解きほぐしそうとした労作だ。…

  • 19面 F35A墜落事故(矢野宏)

    青森県の航空自衛隊三沢基地に所属する最新鋭ステレス戦闘機F35Aが4月9日、夜間訓練中に太平洋上に墜落。事故発生から10日が過ぎても操縦士はなお行方不明で、尾翼の一部しか発見されていない。F35シリーズはかねてから安全性が疑問視されていたのに、105機もの追加購入を決めた安倍政権に批判の声が上がっている。

  • 20面 経済ニュースの裏側「私の韓国論」(羽世田鉱四郎)

    2001年12月、日韓で共催する翌年のサッカー・ワールドカップに触れ、平成天皇が「桓武天皇の生母(高野新笠)は百済の血を引いて……」とコメントされました。百済系渡来人の子孫です。17年9月に、天皇ご夫妻が私的旅行で埼玉県の高麗神社を訪問されました。高麗王若光を始祖とした由緒ある神社です。高麗は高句麗の略称。ネット右翼が「反日左翼だ」と騒ぎました。…

  • 21面 会えてよかった「仲村律子さん」(上田康平)

    村議選挙に出てくださいと言われて――。政治のことはわからないよと断ったのに、字の公民館の書記ができたら村の議員もできる。…

  • 22面 落語でラララ「笑いの地域性」(さとう裕)

    今でこそ日本の笑いの文化は、さほど地域による違いが目立たないが、それでも地域性がなくもない。というか、地域性を売りにしているお笑いコンビもいる。郷土愛をそのまま名前にした博多華丸・大吉、東北魂のサンドウイッチマン。栃木なまりが看板のU字工事や茨城弁丸出しのカミナリ。みんな愛されキャラだ。…

  • 23面 100年の歌びと「狼になりたい」(三谷俊之)

    日本の車生産台数が世界一となった1980年。「イエスの方舟」の26人は、よるべない心の旅路を巡り、川崎市の高級住宅地では予備校生が両親を金属バットで撲殺。藤原新也は事件の起きた家の写真を撮り「血飛沫を あつめて早し最上川」と記した。そんな時代、この曲が流れていた。中島みゆきの5作目のアルバム『親愛なる者へ』の収録曲の一つだ。…

  • 24面 坂崎優子がつぶやく「実家が売れた①」

    京都の実家の片付けを始めて3カ月。売却というゴールに無事たどりつきましたが、その日々は嵐のようでした。「家には売れる時期がある」「空き家は方針を早く決めてすぐに動き出すことが大事」など体験して知ることばかりでした。…

  • 25面~29面 読者からのお手紙&メール(樋口元義さん、西田敦さん、根橋敬子さん、大谷まどかさん、小泉雄一さん、白井政幸さん)

  • 27面 車イスから思うこと(佐藤京子)

    燃え尽きていないから苦しい。そんな言葉が頭の中を巡る。「TOKYO」の一言から決定し、始まった「2020東京オリンピック・パラリンピック大会」騒動。初めのうちは、遠い世界での大騒ぎとしか感じていなかった。東日本大震災の復興も進んでいないのに、何を騒いでいらっしゃるのやらと思っていた。…

  • 30面 「うずみ火」花見集い(矢野宏) 編集後記(矢野宏・栗原佳子)

    新聞うずみ火のお花見集いが4月6日、大阪城公園西の丸庭園であり、沖縄や埼玉、千葉から40人が参加した。
     この日は快晴、桜も満開とあって庭園内はたくさんの花見客でにぎわった。…

  • 31面 うもれ火日誌

  • 32面 「うずみ火講座」5月17日

    5月のうずみ火講座は17日(金) 午後6時半から大阪市此花区のクレオ西で。講師はノンフィクションライターの松本創(はじむ)さんです。演題は「地方とメディア―沖縄と大阪の事例から―」。

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