新聞うずみ火 最新号

2022年4月号(NO.198)

  • 1面~3面 ロシアのウクライナ侵攻1カ月 平和願う心よ届け(矢野宏、栗原佳子)

    ロシアによるウクライナ侵攻から1カ月。ウクライナでは連日、民間人が見境なく攻撃されている。死と隣り合わせの恐怖の中で震える子どもたちを救えと、国内外で市民が街頭で抗議の声を上げる。一方で、日本の保守派の政治家は非核三原則の見直しや改憲を求める意見を声高に叫んでいる。ウクライナの厳しい現状を前に、私たちができることは何か。阪大名誉教授の藤本和貴夫さん、防衛ジャーナリストの半田滋さんに話を聞いた。(矢野宏、栗原佳子)

    3月中旬、大阪府東大阪市の中小坂公園。ロシアのウクライナ侵攻に対する緊急集会が開かれ、市民ら160人が参加した。即時停戦を訴える市民の中に一人の空襲体験者がいた。
     
    「居ても立ってもいられなかった」と駆けつけた森本光英さん(93)。飛び入りでマイクを握り、訴えた。

    「一日も早く空襲を止めてほしい。地下壕で脅える子どもの姿が77年前の自身と重なり、つらいです。平和がどれだけ大切か、私たちは身に染みて感じています。平和を守るのは核兵器でも憲法改悪でもありません。私たち一人ひとりが平和を願う心です」
     
    森本さんは太平洋戦争末期、空襲警報が鳴るたびに防空壕に逃げ込む日々を送った。当時15歳、布施市(現・東大阪市)長堂の自宅から1945年3月13日の第1次大阪大空襲を目撃した。

    「防空壕から出ると辺りは雪で真っ白でした。20㌢ほど積もっており、対照的に西の空は炎で真っ赤でした。もう戦争なんて嫌です」
     
    主催者から「東大阪から『ロシアはウクライナ侵攻をやめろ』『核兵器使用は認めない』『憲法9条を守れ』の声を発信しましょう」とのアピールが読み上げられ、賛同の拍手に包まれた。
    ……

  • 4面~5面 原発制圧 ロシアの意図 「うずみ火講座」今中さん講演(矢野宏)

    ウクライナに侵攻したロシア軍が原発を次々と占拠している。チェルノブイリ原発事故の調査でウクライナと関係が深い京都大原子炉実験所(現京都大複合原子力科学研究所)の元助教、今中哲二さんを講師に迎えた「うずみ火講座」が3月19日、大阪市北区のPLP会館で開講した。演題は「戦争と原発 ウクライナとロシア、チェルノブイリ原発」。今中さんは「戦争も原発事故も、被災者にもたらされた災難の大きさを測る測定器はない」と訴え、ロシア軍の早期撤退を求めた。(矢野宏)

    ロシア軍はウクライナへ侵攻した2月24日、チェルノブイリ原発を占拠した。チェルノブイリ原発は首都キエフの北約100㌔で、ベラルーシとの国境に近い。旧ソ連時代の1986年4月に核分裂の制御に失敗し「史上最悪」と言われた爆発事故を起こした。
     
    事故を起こした4号機は、コンクリートなどで覆う石棺と外側を覆う巨大なシェルターで、放射性物質の飛散を防ぐ対策が行われている。残りの3基も2000年までに順次閉鎖された。
     
    「ロシアの全面侵攻はないと思っていたので、戸惑いました」と今中さんは振り返る。
    事故後、影響調査のためウクライナを20回ほど訪ねたことがあり、キエフには今も交流がある原子力関係者ら知人がいるという。
     
    チェルノブイリ原発占拠について、ロシア側は「核テロの防止が狙いだ」と主張している。今中さんは「チェルノブイリ原発はすでに廃炉となっており、最悪の事態にはならないだろう」とみている。
     
    「作業員がいなくなれば、危険な可能性はありますが、キエフを目指すなら北から入るのが一番近い。しかも、原発から半径30㌔は立ち入り禁止区域だから人がいない。いわば、行きがけの駄賃のつもりでしょう」
    ……

  • 6面~7面 ヤマケンのどないなっとんねん どさくさ紛れの核共有論(山本健治)

    この連載を書かせてもらうようになって早いもので12年、機会を与えられて感謝している。この間、いくつもの大事件や自然災害が起きたが、その最大のものは2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う福島原発事故である。甚大な被害と犠牲を余儀なくされ、今も元の生活に戻れない現実があり、甲状腺がんなどで苦しむ人がいる中で、この2月24日にロシアがウクライナに侵攻し、生物化学兵器まで使った民族皆殺し、さらに核戦争すら懸念される事態に直面している。改めて「うずみ火」の発刊趣旨である草の根から反戦平和、みんなの命と人権を守る発信をすることの重要性をかみしめている。
     
    東日本大震災の激震と津波で全壊家屋12万2000棟、1万9747人が亡くなられ、2556人が行方不明、11年たった今も3万8139人が避難生活されている。同時に福島原発が炉心溶融し、周辺住民は避難を余儀なくされ、元の生活に戻れないでいる。この2年前に政権交代した民主党は、これらの対応への失敗、公約違反などで批判を浴び、翌年には野党に転落、第2次安倍内閣が発足して一強体制をつくり上げ、その奢りの中で疑惑まみれになり、安倍首相は病気を理由に辞任に追い込まれ、菅内閣は短命、岸田内閣へとつながった。
     
    今、ロシアのウクライナ軍事侵攻は旧来の爆撃機、ミサイル、戦車を用いる一方で新兵器の実験場にして、一般の人たちの生活地域や住宅のみならず病院・学校、避難者が集まっている劇場なども平気で爆撃して民族皆殺しの様相を示し、それが長期化しそうである。
    ……

  • 8面~9面 フクシマ後の原子力 原発を戦場にしたロシア(高橋宏)

    ほとんどのメディアが連日、ロシアのウクライナ侵攻を報じている。新型コロナウイルスに関連するニュースがかき消されるような勢いである。その侵略行為には核兵器や原発が見え隠れし、世界中が不穏な空気に包まれる中、11回目の3・11が巡ってきた。
     
    東日本を襲った大地震・大津波は、史上最悪の福島第一原発事故を引き起こした。その結果、事故後11年経った今でも、復興庁が把握するだけで3万8000人余りの人々が故郷に帰れず、避難生活を続けている。事故処理も思うように進まず、原子力緊急事態宣言は未だに継続中だ。にもかかわらず、日本は原発の再稼働を続け、確実に事故前の社会に回帰しつつある。多くの人々を苦しめ続ける「原発震災」の教訓は、どこに行ってしまったのか。
     
    教訓と言えば、人間はいつになったら戦争という愚かしい行為と決別できるのであろうか。武力で平和を維持できるという幻想から脱することができるのだろうか。今回のロシアのウクライナ侵攻は断じて許されるものではない。だが一方で、ウクライナもまた軍事力で対抗している。「国家を守るため」に、双方が合法的に殺し合いをしているのだ。その殺し合いに、多くの市民が巻き込まれて犠牲となっている。
    ……

  • 10面 大阪コロナ第6波 介護ますます人手不足(栗原佳子)

    大阪府の「まん延防止等重点措置」は他府県と足並みを揃え3月21日に全面解除された。しかし新型コロナによる大阪の死者数は21日現在4490人(東京は4069人)と突出。第6波に入った昨年12月17日から3月21日までに1426人を数え、いまも増え続けている。その9割以上が70歳以上。大阪市内で19日、コロナと介護を考える学習会(高齢社会をよくする女性の会・大阪主催)が開かれ、介護従事者らが厳しい現場の実情を紹介した。

    第6波の大阪は医療がひっ迫、高齢者施設では感染者が出ても入院できず、施設内で隔離するなどの対処が常態化した。職員はガウン、マスクにゴーグル、フェイスシールド、手袋で完全に防護。それでも感染は収まらない。府の調査では第6波で発生したクラスターのうち5割弱が高齢者施設だ。

    大阪市生野区で訪問介護事業所などを運営する「菜の花」社長の岡﨑和佳子さんは「おむつ交換、食事・入浴介助、換気できない部屋で援助をすることも。ヘルパーは常に高い感染リスクで働いています。いつどこで誰が感染してもおかしくありません」。介護職員の家族感染も多発、人手不足が常態化しているという。
     
    介護職員から利用者への感染は絶対避けねばならない。そのためにも「検査を望むヘルパーやデイサービス職員にも定期的なPCR検査を受けられる体制が必要」と訴える。
     
    「コロナ、コロナで日が暮れる」緊張の日々。岡﨑さんが紹介したのは重度障害者Aさんのケースだ。60代のAさんは「森永ヒ素ミルク事件」の被害者。脳性まひと診断され、24時間介護を受け自宅で一人暮らしをしている。
     
    そのAさんがこの第6波でコロナに感染した。主治医は入院が必要と診断したが、酸素飽和度が正常値の最低ラインの96%。パンク状態の保健所は「重篤な症状ではないので入院できません」。Aさんは自宅療養を余儀なくされた。
     しかし感染リスクがあるため介護体制は整わず、Aさんは1日約13時間を1人で過ごさねばならなかった。おむつは濡れたまま。水も飲めない。「介護が必要な人に介護者が不在となる。生きていけないことを意味する。『重篤な症状』はバイタルサインや酸素濃度だけでは測れない。重篤な生活実態が重篤な症状を招くリスクがある」と岡﨑さん。
     
    市議に相談、Aさんは7日目に入院できた。だが3日後、退院基準となる発症10日を迎え、再びAさんは自宅へ。岡﨑さんは連日、深夜まで関係機関との調整に忙殺された。
     
    訪問介護に取り組むNPO法人エフ・エー理事の長福洋子さんも人手不足に直面している。ヘルパーも高齢化。休職、退職者も増加した。基礎疾患がある配偶者が、退職を促すケースもあるという。
     
    地域の高齢者の居場所として市内の商店街に「ふれあいサロン」も開設。年間2000人が利用していたが、コロナで2年間休止を余儀なくされている。ショックだったのは通っていた高齢者が「孤独死」したこと。「もしここが開いていれば」と悔やんだ。「4月から平日午後2時間だけ開けることにしました。少しでも世の中とつながりたいという気持ちに応えていかねば」と長福さんは話した。

  • 11面 大阪・夢洲IR 住民投票へ25日始動(栗原佳子)

    大阪府と大阪市が大阪湾の人工島「夢洲」に誘致を目指すカジノを中核とする統合型リゾート(IR)の「区画整備計画案」が府議会で3月24日、市議会は29日に採決される。莫大な公費負担など問題は山積。市議会で16日に行われた運営事業者の参考人招致では、事業者の言いなりに公費がつぎ込まれていく実態も明らかになった。それでも議会構成により両議会とも可決の可能性が高く、その後は国の判断に委ねられる。大阪の将来を左右する重大な局面に、府民有志による住民投票実現に向けた署名運動が25日にスタートする。

    府・市は昨年12月、米国のカジノ大手MGMとオリックスの企業連合と区域整備計画案を策定した。カジノをはじめ国際会議場、展示場、ホテル、劇場などを建設、早くて2029年秋の開業を見込む。
     
    府・市は2月15日、運営事業者となる「大阪IR株式会社」と基本協定を締結した。同社はMGMとオリックスが4割ずつ、残り2割をJR西日本など関西の大手企業中心に20社が出資し設立された。
     
    参考人招致されたのは同社代表取締役のエドワード・バウワーズ氏(MGM)と高橋豊典氏(オリックス)。市が例外的にIR用地の土地改良費負担を決定したことなどから、夢洲IRに反対する自民、共産の議員は巨額な公費投入の経緯などを質した。
     
    高橋氏は「土地所有者として適正な土地にしていただきたいと要望した」と説明。土壌汚染、液状化に加え、地盤沈下のリスクについても追加のボーリング調査中だとし、今後も公費負担が増大する可能性を示唆した。
     
    基本協定は「協定の解除」条件を列挙。新型コロナが収束し、コロナ禍以前の状況まで国内外の観光需要の回復が見込めないと事業者側が見込んだり、土壌問題が生じたりした場合、「事業者が判断して十分な対策を得られなければ撤退」できるとしている。
     
    撤退の可能性についても質問が集中。バワーズ氏は「安易に撤退を判断することはあり得ない。多大なコストと人員を投入してきた」、高橋氏は「毛頭撤退する気はないが、そういう見極めをする時が来るかも」と含みを残した。
     
    ちなみに府・市は事業者側に手厚い基本協定の中身について、簡単な概要しかHPに公開していない。
     
    計画案が両議会で可決されると府・市は4月28日までに国に申請。承認を得ると府と大阪IR株式会社が35年の長期契約となる「実施協定」を締結する。国が判断するのは夏頃と見られている。
     
    一方、有志でつくる市民団体「カジノの是非は府民が決める 住民投票をもとめる会」は3月25日から住民投票条例制定を求める署名運動を府内で実施する。5月25日までの2カ月間で選挙人名簿登録者の50分の1以上、少なくとも約15万人の署名を集め、知事に住民投票実施の条例案を提出。府議会で可決されれば、実現する。「もとめる会」は国籍を問わず投票可能な住民投票条例を目指すという。
     
    署名を集めるには、居住自治体(政令市は区)で署名を集める「受任者」に登録する必要がある。署名期間中でも登録可能だという。
     
    「もとめる会」(06・6585・0258)。

  • 12面~13面 再審無罪の青木さん国賠訴訟 検察の責任認めず

    阪神大震災や地下鉄サリン事件が起きた1995年に大阪市東住吉区で当時11歳の小学女児が焼死した火事をめぐり、再審無罪が確定した母親の青木恵子さん(58)が国と大阪府に約1億4000万円の賠償を求めた裁判。大阪地裁の本田能久裁判長は3月15日、「虚偽自白をさせた警察の取り調べは明らかに違法」として府に1220万円の賠償を命じた。一方で、検察については「違法とまでは断定できない」と、国の賠償責任は認めなかった。
     
    本田裁判長は「担当警察官(坂本信行刑事・退職)は青木さんに娘の写真を見せて助けられなかったことを責め続け、長時間大声を出して厳しく取り調べた。明らかに違法」と指摘した。
    ……

  • 14面~15面 世界で平和を考える アフガン最新報告 街全体が難民キャンプ(西谷文和)

    タリバン政権下のアフガニスタンに入った。首都カブールは「街全体が難民キャンプ」のようだった。車を降りて商店街などを撮影していると、ブルカ姿の女性はもちろん、子どもたちや失業中の男性までが手を差し出して「金をくれ」。ウクライナ問題もあって、アフガニスタンはどんどん忘れられていく。もちろん、ロシアによるウクライナ侵略戦争は暴挙であり、すぐに停戦させるべきだ。その一方で、アメリカによるアフガン戦争も決して曖昧にしてはならない。米ロの2大国はどちらも自分の都合を優先させて侵略戦争をした。私は停戦させるだけでは足らないと思っている。早期の停戦と和平合意はもちろん、米ロ両国は被害にあった人々に謝罪し、補償すべきなのだ。
    ……

  • 16面 「ヒロポンと特攻」 女学生が担った包装(矢野宏)

    特攻隊員は出撃前に覚醒剤を与えられていたーー。太平洋戦争末期、学徒動員で覚醒剤入りチョコレートを包んだという女学生の体験を聞いた元教員の相可(おおか)文代さん(71)=大阪府茨木市=が調査結果をまとめた冊子「『ヒロポン』と『特攻』」が注目されている。「15年戦争研究会」主催の講演会が3月6日に大阪市内であり、相可さんは「特攻を美化する動きに対し、戦争の悲惨な実態を知ることが大事だ」と訴えた。(矢野宏)

    2016年9月、教職員組合主催の平和学習会で大阪府高槻市在住の梅田和子さん(91)から戦争体験を聞いたのがきっかけだった。
     
    梅田さんは1945年1月末に府立茨木高等女学校(現・府立春日丘高校)に転校した。校内には陸軍糧秣廠(りょうまつしょう)大阪支廠の支所が置かれていた。運動場にプレハブ小屋が2棟あり、うち1棟で覚醒剤入りチョコの包装作業が行われた。女学生らは15㌢ほどの棒状のチョコを薄紙で包み、箱詰めする。チョコには菊の御紋が付いていた。
     
    転校初日、梅田さんは包装作業をしながら女学生らを監督するよう命じられた。「チョコを盗む生徒がいる」。その日、梅田さんは上級生らに校舎の屋上に呼び出され、持ち出したチョコを食べるように迫られた。一口食べると、カッと体が熱くなり、薬物が入っていると直感したという。上級生らは「特攻隊員が最後に食べるものだ」と言い、先生に言うなと口止めした。
     
    相可さんは「教員として教え子を送り出していた高校が軍需工場だったこと。特攻隊員に与える覚醒剤チョコを女学生が包装していたことに衝撃を受けた」と語った。
     
    事実を知るため、手に取ったのが「50年前日本空軍が創った機能性食品」(光琳)。元陸軍航空技術研究所(東京都立川市)の研究員、岩垂荘二氏が1992年に出した著書だ。戦時中、航空隊の携行食開発に従事しており、ヒロポン入りのチョコを開発したとの話が記されていた。
     
    「ドイツ空軍がヒロポン入りのチョコを飛行士に食べさせたところ効果が上がっている」との報告があった。岩垂氏は上官に命じられ、「棒状のヒロポン入りチョコをつくって補給した」と書いている。
    ……

  • 17面 第一次大阪大空襲77年 朝鮮人犠牲者を追悼(矢野宏)

    太平洋戦争末期の第1次大阪大空襲から77年となった3月13日、敗戦まで50回を超えた空襲で命を奪われた朝鮮人犠牲者を追悼する集会が大阪市北区のPLP会館で開催された。「大阪空襲75年朝鮮人犠牲者追悼集会実行委員会」の主催。この1年間で新たに判明した7人の氏名を加えた計166人の犠牲者名簿を祭壇に置き、参加した110人が黙とうをささげた。(矢野宏)

    実行委はこの日、冊子「大阪空襲と朝鮮人 そして強制連行」を発行した。戦前・戦中に大阪へ強制連行された朝鮮人の実態や空襲時にどのような監視体制が敷かれていたかなどの調査結果のほか、在日コリアン11人の空襲証言も収録している。
     
    大阪への空襲は1944年12月19日から敗戦前日の45年8月14日まで50回を超え、1万5000人以上が亡くなったと言われているが、朝鮮半島出身者の犠牲者数は今もわからない。
     
    旧陸海軍関係文書「内地在住朝鮮人戦災者概数」の中に「朝鮮人戦災者は府全体の8・19%に当たる」という記述があり、少なくとも1200人が犠牲になったと推定する。大阪国際平和センター(ピースおおさか)が管理する死没者名簿には9000人余りの名前が記されているが、朝鮮人の多くが「創氏改名」による日本名(通名)で記載されているため、名前の判明は困難を極めている。
     
    編集を担当した実行委メンバーで関西大非常勤講師の塚崎昌之さん(65)は、「日本の侵略戦争の被害者でありながら、戦後77年、朝鮮半島出身者の空襲被害は調査されてこなかった。その『歴史の空白』を考える手がかりにしてほしい」と語った。
    ……

  • 18面~19面 映画「ぼけますから」続編 現代映す老夫婦の日々(栗原佳子)

    映像ディレクター信友直子さん(60)のドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いいたします。~おかえり お母さん」が3月25日から全国公開される。2018年に公開され20万人以上を動員したヒット作「ぼけますから、よろしくお願いいたします。」の続編。前作で取り上げた父と母の老老介護の日々を、一人娘である信友さんのカメラで丹念に追った記録だ。(栗原佳子)

    信友さんは広島県呉市出身。東京から実家に帰るたび、年を重ねていく両親の日常をホームビデオで撮影していたという。そんな中、少しずつ母の文子さんに認知症の症状があらわれ、父の良則さんは介護と家事を担うようになっていく。2人暮らしの両親を描いた前作は、認知症や老老介護という現代社会を投影し、幅広い世代に共感を呼んだ。
     
    呉での公開を目前にした18年9月、89歳の文子さんが脳梗塞で倒れた。毎日手押し車を押し1時間かけて面会に通い97歳にして筋トレを始めた良則さん。文子さんも懸命にリハビリに励むが、3か月後、新たな脳梗塞が見つかり寝たきりに。新型コロナで面会もままならない中、延命治療や看取りに向き合う家族の姿を描き出す。
     
    実の娘としての立場とドキュメンタリー監督という2つの立場で葛藤しながらの撮影だったともいう。「自分の大切な人のことを思いながら観てほしいです。その人との絆をより深める手助けになれば」
     
    関西では4月1日からテアトル梅田、シネマート心斎橋などで上映。

  • 20面 読者近況(矢野宏、栗原佳子)

    ■東大阪の報告集が受賞

    【大阪】育鵬社の教科書をめぐる東大阪市民の運動をまとめた「オール東大阪教科書運動報告集『教育の独立を取り戻すまで』」が第4回むのたけじ地域・民衆ジャーナリズム賞の優秀賞を受賞した。
    編集責任者は詩人で「オール東大阪市民の会」事務局長の丁章(チョン・ジャン)さん。同市で育鵬社公民が選定されたのは2011年。「東大阪に暮らす在日外国人の一人として、市立中に子どもを通わせる保護者の一人として、朝鮮にルーツを持つ在日サラムの詩人として危惧を抱いた」という。丁さんが営む「喫茶美術館」の常連客だった故・鈴木良立命大名誉教授と共に学習会「東大阪の公民教科書を読む会」を始め、それは、教科書問題の一点で幅広く市民が連携する「オール東大阪の会」(胡桃沢伸代表)へ。行政への要請や街宣、住民監査請求、議会陳情などを繰り返した。一昨年、育鵬社は不採択に。報告集は9年間の活動を網羅した。 受賞理由は〈多くの住民は行政が行うことに我慢しがちだが、それを有志の力で押し返し、最終的に撤回させるまでに至ったことが評価される。また、自分達の身近な問題を解決するときのテキストになる〉。丁さんは「平和・人権・多文化共生を掲げる東大阪で『地域に根差して民衆のために』という評価をいただいたことは本当にうれしい。メンバーだけでなく大阪や全国で教科書運動に取り組む皆さんにも大きな励みになると思います」と話している。(栗原)

    ■城北ハッキョ支える

    大阪市旭区の城北朝鮮初級学校を応援する「城北ハッキョ(学校)を支える会」が3月9日、毎学期1回の「支える会給食」を提供、園児を含む児童38人に笑顔が広がった。
     
    朝鮮学校には給食がないため、支える会の大村和子さんが中心になって2014年11月から毎学期に1回、給食を提供している。この日のメニューは、ちらし寿司とクリームシチュー、デザート。大村さんと一緒に各教室を回ると、子どもたちからお礼の言葉とともに「マシッソヨ(おいしい)」。
     
    朝鮮学校を取り巻く環境は厳しい。高校無償化は対象外、自治体の補助金も打ち切れられ、2019年10月から始まった幼保無償化からも除外された。OBで不動産業者の金永守(キム・ヨンス)さん(48)は娘3人を城北ハッキョに通わせ、四女は現在2年生。日本の学校と比べると経済的負担は大きいが、「朝鮮人としての誇りを持ってほしい」と願っている。「子どもたちに罪はない。受けるべき権利が受けられないのは憤りしかありません」と話す。 (矢野)

  • 21面 経済ニュースの裏側 日銀の動向 買い入れた国債512兆円(羽世田鉱四郎)

    国際情勢 原油、金属、穀物を中心に、国際商品の価格が急上昇。商品の総合指数は1月が前年同月比46%増に。需要の回復に加え、コロナ禍での人手不足など供給の制約、ウクライナなど地政学リスクも勃発し、投機資金の思惑も重なる。米国は、1月の消費者物価が前年比7・5%増とインフレ傾向。金融の量的緩和の修正を目指す。政策金利の引き上げは年7回も、との見方も。EUや英国も同様に金利引き上げの意向。
     
    日本 企業物価は、1月が前年同月比8・6%上昇で、8カ月連続の5%超え。エネルギー価格に加え、円安で輸入コストが上昇。消費者物価も上昇傾向に。国際決済銀行によれば、円の貨幣としての実力(実質実効為替レート)は、50年前(1972年)の水準以下とのこと。円安誘導の弊害が大きいかと。
    ……

  • 22面 会えてよかった 鈴木陽子さん③沖縄で愛楽園退所者のお話を聞く(上田康平)

    自分が知らなければ
     教えられないと沖縄通い
     1992年、沖縄で他県との交流
    会があり、予定していた先生の代わ
    りに生徒1名引率して来たのが、戦
    跡めぐりのスタートになったと鈴木
    さん。本では知っていたが、ガマは
    初めて体験。体験して語ることが重
    要だと思った。伝えたいと思っても、
    本だけではだめ、通い、聞いたお話
    を伝えて行くのが大事だという。
     その後も組合のツアーや個人的に
    沖縄に来て、戦跡めぐりは南部から
    読谷、護郷隊と北部に移っていった
    のであるが、実は初めて沖縄に来た
    のは87年。親戚がいるから遊びにと
    いう感じだったけれど、親戚の家で
    どこにも行かず、沖縄戦の本を読ん
    でいたという。
    ……

  • 23面 落語でラララ 真打制度 戦争で消えた上方(さとう裕)

    ロシアの侵略戦争が止まらない。大義も国際ルールもすべて無視。一般市民を攻撃するわ、原子力発電所にも攻め込むなど滅茶苦茶。黒田清さんが「戦争は最大の人権侵害だ」と述べていたが、まさに今、ウクライナでそれを目の当たりしている。それにしても国際社会の無力さよ。誰かプーチンの狂気を止められないのか。他人頼みがもどかしい。
     
    落語講座などで、関東はあるのに「上方落語」に真打制度がないのはなぜ? とよく聞かれる。上方落語の真打制度はもとはあったが、なくなったのだ。原因は戦争だ。第2次大戦の空襲で寄席は焼かれ、噺家は戦地で亡くなったり、無事帰ってきても寄席がない。戦後、上方の噺家は10人前後になってしまった。そんな時に真打もなにもあったものではなかったのだ。東京の噺家は何とか上方よりも多く生き残り、寄席もわりあい早く復興して真打制度も維持された。 
    ……

  • 24面 日本映画興亡史 マキノ省三伝 「孫殺す気か!」祖父激怒(三谷俊之)

    牧野省三と知世子夫婦は8人の子をなした。長女・富栄を筆頭に4女の恵美子まで女子だった。恵美子は「マキノ輝子」の芸名でスターとなり、俳優の四代目澤村國太郎と結婚、長門裕之・津川雅彦の兄弟をもうけた。5人目が男子で、後の名監督・マキノ雅弘(正唯)である。
     
    カツドウ屋の家だから、子供たちは否応なく活動写真づくりに駆り出された。晴れた日は撮影で学校も行けない。雅弘の『映画渡世』では、省三の言葉で「よその子を使うんではわいの心がすまん。同じ使うんなら、よその子やのうて、うちの子を辛抱させたいのや」とある。小学校では「カワラコジキ!」とバカにされ、いじめられた。撮影ではまるで児童虐待のようなエピソードが数多い。身体が軟らかくなるからと、雅弘は幼い時から毎日酢を飲まされた。省三は「わいも飲むで」と言っていた。ある朝、父のコップに口をつけたら、日本酒だった。
    ……

  • 25面 坂崎優子がつぶやく 自由診療にご注意を

    バレーボール日本代表の藤井直伸さんが、ステージ4の胃がんと転移を公表しました。その後すぐ、藤井さんと同期入団した3名の選手が「Team藤井募金」を設立します。目標額は5000万円。藤井さん自身も「最善の治療をしていくにあたり、膨大な額が必要となることが予想される」とコメントを発表したことで、心配した医療者らがSNSで声を上げ始めました。
     
    米国在住で脳腫瘍が専門の大須賀覚さんもツイッターで「日本では効果が確認された治療は保険適用されて比較的安価。また期待される新薬ほど治療の形で提供されていて基本無料。超高額な自由診療ほど怪しい治療が多いです」と投稿しています。
     
    募金は3月31日まで行われる予定でしたが、4日に急きょ終了し、藤井さんが「治療方針も明確に定まっていないのにも関わらず、冷静な判断ができなかった」と謝罪しました。藤井さんたちは悪くはないし、責められるものでもありません。それだけがん治療に誤解があるということなのです。
     
    科学的根拠に基づき、現段階で最も効果がある治療は「標準治療」と呼ばれます。がん治療は日々進歩しているので、新しい治療が標準治療よりも効果が高いとわかれば、それが新たな標準治療になります。
     
    一方、「先進医療」は、国が開発を認めた研究中の治療で、医療として提供しながら、効果や副作用などを判断します。標準治療になるものもあれば、消えていくものもあります。保険適用にはなっていないので医療費は自己負担。高額療養費の払い戻しもありません。ただし治療を行う上での検査など通常の医療と共通する部分は保険適用となります。国立がん研究センター東病院でも数種の「先進医療」を提供しています。患者負担額は約40万円から約300万円と幅があります。
    新しい治療なら治験参加という方法もあります。こちらは基本無料です。いいタイミングで参加できるものがあるか、またあっても実施病院が遠い、などの問題があります。そんな中、今年2月に愛知がんセンターが日本で初めてフルリモート治験を行うことを発表しました。
    ……

  • 26面 読者からのお手紙&メール(文責・矢野宏)

    読者からのお手紙&メール
    読者からのお手紙&メール

    政権にすり寄る連合
    一線超えた国民民主

       兵庫県姫路市 谷野勉
     日本最大の労働組合の中央組織・連合がこの夏の参院選に向けて基本方針を正式決定した。旧民主党系の支援政党を明記しないという国政選挙では異例の方針だ。新聞報道では、芳野友子会長は「参院選は比例代表、選挙区ともに個人名を徹底することが基本で、『人物重視・候補者本位で臨む』という記載になっている」と説明したというが、それならば自民党候補もありということにならないか。連合はどのような政権を目指して運動を進めるのだろうか。
     先の衆院選直前の10月22日、芳野会長が日本外国特派員協会での記者会見で立憲民主党と共産党が協力関係を強めていることについて、「非常に残念」と不快感を示した。その発言が立憲敗北に大きく影響したと思っている。連合が結成された1998年以降、国政選挙で「支持政党なし」との決定は初めて。政権与党にすり寄っているように思われてならない。
     また、国民民主の玉木代表は2月22日の衆院本会議で、政府が提出した新年度当初予算案に賛成討論を行った。ガソリン価格高騰の際に1㍑あたり約25円を減税できる規定(トリガー条項)の発動に触れ、「ガソリン値下げを岸田総理が検討することを明言し、実現に向けた方向性が明らかになった」と賛成理由を述べた。しかも、玉木代表から岸田首相に声をかけ、ひじタッチまで交わした。国民民主は野党の一線を越え、連立与党入りを目指すのか。

    政権にすり寄る連合
    一線超えた国民民主

       兵庫県姫路市 谷野勉
     日本最大の労働組合の中央組織・連合がこの夏の参院選に向けて基本方針を正式決定した。旧民主党系の支援政党を明記しないという国政選挙では異例の方針だ。新聞報道では、芳野友子会長は「参院選は比例代表、選挙区ともに個人名を徹底することが基本で、『人物重視・候補者本位で臨む』という記載になっている」と説明したというが、それならば自民党候補もありということにならないか。連合はどのような政権を目指して運動を進めるのだろうか。
     先の衆院選直前の10月22日、芳野会長が日本外国特派員協会での記者会見で立憲民主党と共産党が協力関係を強めていることについて、「非常に残念」と不快感を示した。その発言が立憲敗北に大きく影響したと思っている。連合が結成された1998年以降、国政選挙で「支持政党なし」との決定は初めて。政権与党にすり寄っているように思われてならない。
     また、国民民主の玉木代表は2月22日の衆院本会議で、政府が提出した新年度当初予算案に賛成討論を行った。ガソリン価格高騰の際に1㍑あたり約25円を減税できる規定(トリガー条項)の発動に触れ、「ガソリン値下げを岸田総理が検討することを明言し、実現に向けた方向性が明らかになった」と賛成理由を述べた。しかも、玉木代表から岸田首相に声をかけ、ひじタッチまで交わした。国民民主は野党の一線を越え、連立与党入りを目指すのか。
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  • 27面 車イスから思う事 行動広げてくれた相棒(佐藤京子)

    パソコンで作業をしていると、足元に温もりを感じる。黒い相棒のニコル君が寄ってきて伏せている。最近は伏せた体勢から少しズレて横向きになって寝ることが増えた。寝息をたてている姿も愛おしい。介助犬は10歳になると引退しなければならない。人間でいえば60歳くらいだ。ニコル君の誕生日は3月14日だ。いつかはこの日が来ることはわかっていたが、やはり寂しい。一年前から、「あと一年記念日」と称して、いろいろな所へ一緒に出かけるつもりだったが、コロナ禍で目的のない外出はできない雰囲気になった。小学校への出前授業も、補助犬の啓発活動もなくなって自粛の日々。何とも歯がゆい。
     
    介助犬の役割は何か。障害者の社会参加を手伝うことであり、細かいことで言えば、落とした物を拾うことだ。車イスに乗っていて足元に物を落とすと拾えず、諦めることがある。それゆえ、外出がおっくうになる。物を落としたら、歩いている人に声をかけて拾ってもらうのだが、見知らぬ人に頼むことは想像以上にエネルギーを要する。ニコル君が一緒にいるだけで、気持ちに余裕が持てる。 ちょっとしたことでも外出する気になれた。地下鉄にもバスにもニコル君が来てから乗るようになった。それまでは、車で知っている所へしか行かなかったのに、行動範囲は飛躍的に広がった。
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  • 29面 絵本の扉 いのちをいただく(遠田博美)

    初めまして。大阪市在住の遠田博美です。今回から「絵本の扉」と題して、命の大切さや反戦・平和・反差別などの観点から古今東西の絵本を紹介します。
     絵本は、生まれて来た子どもが初めて手にする本です。時には戦争へのプロパガンダに利用されたり、権力者に都合よく解釈をねじ曲げられたりもします。絵本は、子どもの時だけ読むものではなく、あらゆる年代の人々が絵本を通して、様々なことを学べるものです。第1回は『いのちをいただく』を紹介します。
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  • 30面 編集後記(矢野宏)

    今月号はロシア侵攻の特集となった。阪大名誉教授で大阪日ロ協会理事長の藤本和貴夫さん、防衛ジャーナリストの半田滋さんにお話を伺い、チェルノブイリ原発事故の調査でウクライナと関係の深い旧京大原子炉実験所の今中哲二さんの講演をまとめさせていただいた。紙面を組みながらも、きょうには停戦協定が結ばれるのでは、と淡い期待を寄せていたが、ロシアは停戦を求める国際世論を無視し、国際司法裁判所の侵攻停止命令も拒否して病院や学校も見境なく攻撃するなど、戦闘は日増しに激化している。ここにきて、化学兵器や小型核兵器が使われるのではないかとの憶測すら飛んでいる。破壊されて焼け焦げた住宅街、地下壕で「死にたくない」と震える幼子らの映像を見て、77年前の大阪大空襲を体験した在日朝鮮人二世の鄭末鮮(チョン・マルソン)さん(88)は「焼け野原となった街を逃げ惑った恐怖が蘇ってきました」と語っていた。12歳で、母と兄、妹、弟の4人を亡くし、たくさんの遺体を見た鄭さん。「生き地獄でしたわ」との一言が重い。「小さい声かもしれないけれど、居ても立ってもいられない」と、街頭で抗議の声を上げる人たちに対し、平気で冷や水を浴びせる輩がいる。コメンテーターをつとめるタレント弁護士もその一人だ。「日本国内でウクライナの国旗を掲げて集まってもクソの役にも立たない」と語っていたが、私はそうは思わない。こうした戦争に反対する市民の声が戦争を止める力になると信じている。さて、今月号から新連載がスタートした。元小学校教諭の遠田博美さんの「絵本の扉」。早期退職し編入学した大学と大学院で児童文学・絵本を学び直したという遠田さんにお勧めの絵本を隔月で解説していただく。ご期待ください。新聞うずみ火は創刊198号。大台まで秒読みとなりました。笑顔で迎えられますように。 (矢)

  • 31面 うもれ火日誌(矢野宏)

    2月1日(火)
     ミャンマー国軍のクーデターから1年。夜、矢野は神戸市中央区の三宮センター街で行われた関西在住ミャンマー人の抗議集会を取材。
    2月6日(日)
     矢野 午後、大阪市天王寺区で開かれた「15年戦争研究会」主催の講演会で、「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」代表の黒井秋夫さんの話を聞く。
    2月7日(月)
     矢野 夜、MBSラジオ「ニュースなラヂオ」。特集は「大阪のIR誘致を考える」で、維新VS自民の市会議員による徹底討論。維新は市議団総務会長の飯田哲史議員、自民からは市議団政調会長の山本長助議員が生出演。「10分で現代を解説」コーナーは福本晋悟アナがコロナの学校対応についての報告。
    2月10日(木)
     大阪市議会の開会日。矢野は午前、九つの市民団体がカジノ誘致計画の中止・撤回を求める7万筆の署名提出を取材。午後、市議会の冒頭、自民党らが提出したIRの賛否を問う住民投票を行うための条例案が否決される。
    2月12日(土)
    ……

  • 32面 瀧本邦慶さんを偲ぶ会

    昨年9月に新型コロナの感染拡大のため開催が延期となっていた「瀧本邦慶さんを偲ぶ会」が5月28日(土)午後2時から、大阪市中央区北浜東のエル・おおさかの視聴覚室で開かれる。
     
    瀧本さんは17歳で旧海軍を志願。空母「飛竜」に航空整備兵として乗り込み、真珠湾攻撃やミッドウェー海戦に参戦した。九死に一生を得て帰還すると、最前線のトラック島へ送られた。連日の空爆、補給を絶たれて餓死寸前まで追い込まれながら敗戦の翌年に生還。80歳を過ぎてから、戦争がいかに愚かなものか、語り部として若い世代に訴え続けた。
     
    ラジオドキュメンタリー「語り部をやめたい〜94歳の夏」(第54回ギャラクシー賞)を制作したMBSラジオディレクターの亘佐和子さん、ナレーションを務めた元MBSアナウンサーの水野晶子さん、「96歳 元海軍兵の『遺言』」(朝日選書)を出版した朝日新聞記者の下地毅さんらが呼びかけ人となって開催。瀧本さんがうずみ火講座で講演した2017年の映像(角家年治さん制作)を上映した後、水野さんら取材者らが瀧本さんの思い出などを語る。
     
    入場無料。定員50人。申し込みは新聞うずみ火まで。

  • 32面 クラウドファンディングは4月8日まで(矢野宏)

    新聞うずみ火は空襲体験者の証言DVD「語り継ぐ大阪大空襲」の第2弾を制作するため、インターネットを通じて支援を呼びかけるクラウドファンディングに挑戦中ですが、締め切りの4月8日が迫ってきました。3月16日現在で目標額の2割ほど。コロナ禍、ご無理のない範囲でお力添えをお願いします。
     支援金はクラウドファンディング(https://readyfor.jp/projects/kuushuu2022)で募っており、目標額は50万円です。郵便振り込み(00920・9・173051 平和学習を支える会)でも受け付けています。 問い合わせは、新聞うずみ火まで。

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