新聞うずみ火 最新号

2019年1月号(NO.159)

  • 1~3面 改正入管難民法を考える(矢野宏・栗原佳子)

    東京都港区にある寺院「日新窟」の一室にベトナム語で書かれた位牌が並べられている。その多くが若い技能実習生らで、「ここ3年間はひどい亡くなり方をする人が増えています」。外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正案が強行採決され、成立した。「特定技能」という資格を新設し、人手不足とされる業種を外国人労働者に担わそうというものだが、具体的な業種名や受け入れ人数さえも明記されていない。

  • 4~5面 韓国人元BC級戦犯の闘い「法による救済求め続け」(栗原佳子)

    第2次大戦中、日本軍属として捕虜監視業務に従事し、BC級戦犯に問われた韓国人や家族が、日本政府の立法措置を求め続けている。日本人として裁かれながら、戦後は「外国人」として援護や補償から切り捨てられた。臨時国会でも願いはかなわず、解決の道はまたも先送りされた。「特別な待遇を望んでいるわけではありません。日本人と同じ処遇をしてほしいのです」

  • 6~7面 水道と漁業「日本が売られる」ジャーナリストの堤未果さんに聞く(矢野宏)

    臨時国会で、この国の根幹に関わるような重要法案がいくつも出されたが、与党は十分に説明することなく、採決を強行した。水道事業や水産業に民間参入を促す「改正漁業法」「改正水道法」が成立したことで、私たちの暮らしはどうなるのか。私がパーソナリティーを務めているMBSラジオ「ニュースなラヂオ」で、「日本が売られる」の著者でジャーナリストの堤未果さんに話を聞いた。

  • 8~9面 北方領土返還運動の原点「ソ連の占領支援した米軍」(粟野仁雄)

    日露首脳会談の時だけ賑やかになる北方領土問題。実は4島をめぐる現代史の根本的な事実が国民には知らされていない。昨年12月30日付の北海道新聞に貴重な記事が載った。タイトルは「ソ連の北方4島占領、米が援助、極秘に艦船貸与、訓練も」

  • 10~11面 連載 ヤマケンのどないなっとんねん「吟味なく暴走増す政権」(山本健治)

    この1年、安倍暴走政治はさらにひどくなった。国会は会期延長と強行採決が当たり前、官僚たちは下僕となった。森友疑惑は首相夫妻をかばうため、官僚たちは口裏合わせ・隠蔽・隠滅どころか、決定文書を改ざんまでしたのに、担当の麻生財務相も首相も責任をとらなかった。加計疑惑も首相秘書官が絡んで、似たようなやり方で逃げた。

  • 12~13面 戦争と性暴力「ISに引き裂かれたヤズディ教徒」(西谷文和)

    スレイマンさん一家はヤズディ教徒で、イラク・シリア国境地帯に住んでいた。彼女の街にISがやってきたのは2014年8月3日、ISは「イスラム教徒以外は人間ではない」という教義を信じ込んだ集団なので、ヤズディの男性は殺してもいいし、女性はレイプして連れ去った。スレイマンさんと6人の子どもたちは必死で山に逃げたが……。

  • 14~15面 連載 ゴジラと憲法「『核の傘』信じ米に追従」(高橋宏)

    映画『ゴジラ』の主人公・尾形はゴジラを「日本人の上に今なお覆い被さっている水爆そのもの」というとらえ方に注目したい。米国の「核の傘」などという存在を信じ、その抑止力に頼るがゆえに、対米追従し続ける日本政府を想起させるからだ。

  • 16面  こちらうずみ火編集部 香山リカさん講演中止(矢野宏)

    京都府南丹市が11月24日に開催予定だった精神科医で立教大教授の香山リカさんによる子育て応援講演会を中止した。地元の右翼系団体からの抗議を受けて講演者を差し替えたことに対し、市は「イベントの安全性を考え、やむなく決めた」と説明している。 

  • 17面 こちらうずみ火編集部 琉球王朝子孫ら京大提訴

    旧京都帝大の人類学者が1929年、沖縄の中世の首長らを葬った墓から遺骨を持ち出し、保管する京大が返還しないのは違法だとして、首長の子孫ら5人が遺骨返還と慰謝料計50万円を求め京都地裁に提訴した。琉球人の遺骨返還を求める訴訟は初めて。  

  • 20面 こちらうずみ火編集部 大阪空襲訴訟から10年

    太平洋戦争開戦から77年となる12月8日を前に、大阪市長居障がい者スポーツセンターで6日、大阪空襲訴訟を伝える会が主催する「戦争被害を考える平和の集い」が開かれた。「戦争孤児~『駅の子』たちの思い」の著者で立命館宇治中・高校教諭の本庄豊さん(64)による記念講演、元原告の吉田栄子さん(84)が自らの体験を語った。 

  • 21面 こちらうずみ火編集部 

    韓国で大反響を呼んだドキュメンタリー映画2作品が公開された。スパイ事件ねつ造の真相に迫る「スパイネーション 自白」。保守政権による公共放送弾圧を追う「共犯者たち」。自らも放送局を追われた崔承浩(チェ・スンホ)監督と非営利独立メディア「ニュース打破(タパ)」が粘り強い調査報道で「権力犯罪」の実態を暴いた。

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