地震に続き、記録的な大雨に見舞われた石川県輪島市の中でも大きな被害を出した町野町。町唯一のスーパーマーケットに流れ込んだ泥をかき出すのに延べ300人を超すボランティアの人海戦術で、1カ月近くかかった。泥だけではなく、町には無数の流木も流れ込んでおり、これらをすべて撤去するのはボランティアだけでは難しい。
今回の取材で復旧作業に当たる自衛隊員の姿を一人も見かけなかった。石川県は派遣要請もしていないのだという。その理由などを県庁にメールで問い合わせているが、まだ返答はない。
数年前から日本の防衛を想定した大規模な日米共同統合演習が2年に1度行われている。今年は日米合わせて4万5000人が参加して、10月23日から10日間の日程で実施される。被災者の一人がこう漏らしていた。「自衛隊は完全に闘う部隊になった」と。