編集長ブログ

うそをつかない政治家を選ぼう

前回の「大阪都構想」をめぐる住民投票の時、自民党選出の堺市議に「維新のどこが嫌いか」尋ねたことがある。その市議は「平気でうそをつくところ」と即答し、こう説明した。「うそをつかれると議論にならない。民主主義の崩壊につながります」

高市早苗首相は「物価高の中で2026年度予算と税制改正関連法を早期に成立させる」と説明していたのに一転、通常国会の冒頭で解散総選挙に踏み切った。「高市早苗が首相で良いのか、国民に決めていただく」と訴えていたが、騙されてはいけない。自らの不用意発言による中国との関係悪化、旧統一教会との関係や裏金問題にも決着がついていない。内閣支持率が高いうちに衆院選に踏み切れば自民党の議席が増やせるという計算があったのは間違いない。この自己都合解散で、26年度予算の3月末までの成立は困難になった。

自分勝手なうそつき政治家は大阪にもいる。任期途中で知事を辞任し、市長も伴って大阪出直しダブル選を仕掛けた維新の吉村洋文氏。都にもならないのに、2度も否決された「都構想」実現に向けて民意を問うと1月22日に第一声をあげた。6年前、2度目の住民投票が否決された後、「僕たちが掲げてきた大阪都構想は間違っていた」「政治家として大阪都構想に挑戦することはもうない」と明言したのは誰やねん。

立憲民主党も新党「中道」に衣替えするや、これまで掲げてきた「安保法制の違憲部分の廃止」「原発ゼロ社会を一日も早く実現」の方針を投げ捨ててしまった。有権者は見ている。

「三代目は身上をつぶす」とのことわざがある。創業者や先代が苦労して成長させた会社を、その苦労も知らない3代目が十分な経営能力もないままに社長になり、会社を傾けさせてしまうこと。かつて明治維新から3代目の世代が国家権力の中枢を握り、無謀な太平洋戦争へ突入し日本を滅ぼした。戦争を知らない3代目世代が選挙をもて遊び、再びこの国を滅ぼそうとしている。2月8日、うそをつかない政治家を選びたいものだ。 (矢)

【編集長の決意】創刊20周年を迎えて

新聞うずみ火創刊20周年を迎え、11月1日にPLP会館で開かれた読者との祝う集い。執筆陣も駆けつけてくれ、心温まる励ましの言葉をいただきました。ありがとうございました。発刊は2005年秋、小泉政権による「郵政選挙」で自民党が300近い議席を取り、憲法が改悪されるとの危機感から。おかげさまで、今では北は北海道から南は西表島まで2000人を超える読者がこの小さな新聞を待ってくれています

創刊20年を迎えた節目の年に誕生した高市政権。維新との連立もあり、最悪の政権となりそうです。早速、「台湾有事」について存立危機事態になりうると発言。日中関係は急速に冷え込みました。高市首相に撤回する気はないようで、改善の兆しはまったく見えません

「高市発言は中国に対する宣戦布告と同じだ」との批判も飛び出しましたが、中国側の不信感や怒りはそれだけではないようです。南西諸島をはじめ、九州や西日本では台湾有事を想定した戦争準備が着々と進められています。大軍拡に私たちの税金が使われ、私たちの命が脅かされるなんて、こんなバカな話はありません

祝園で、南西諸島で、そして大分で、政府が進める軍事要塞化に抗う人たちと出会い、勇気をもらいました。一人ひとりの力は小さいけれど、それぞれの胸にともる「埋火」がさらに燎原の火となると信じ、これからも一号一号積み重ねていきます。さあ、21年目に突入です。  

 

【副編集長の怒り】長生炭鉱の遺骨収容 無視する日本政府

「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が1021日に実施した厚労省、外務省、警察庁との政府交渉。リアルで傍聴したかったが、翌日が今月号の入稿日。残念ながら断念した。終了後の報告会見をオンラインで視聴して驚いた。遺骨が収容されて2カ月近いのに、DNA鑑定は手つかず。遺骨は山口県警科捜研の冷蔵庫の中だという。「あのご遺骨に申し訳ない。83年待って、やっと日の目を見たのに。ご遺骨の立場に立つという、熱意のかけらもない」。井上洋子共同代表が声を詰まらせていたDNA鑑定だけでなく、ほとんど何も動いていない現状。政府交渉に同席した国会議員の一人は、民主党政権時の官僚たちのサボタージュを重ね、振り返っていた。まさにこの日、そのほんの数百㍍先で高市政権が発足した。首相交代で、進展どころか「塩漬け」「後退」なのか。それでも刻む会の上田慶司事務局長は「高市政権がどんな態度でこようが、前進していく」と言い切った。パソコンの前で思わず拍手した。めげずに前進あるのみ。自分もかくありたい▼刻む会はこの日、保有する29人分のDNA型のデータを警察庁に提供した。1219日までに進展がなければ、民間団体などに依頼して独自に鑑定を行うという。11月には犠牲者が5人いる沖縄で会見、遺族探しのキャンペーンも開始する。来年2月には世界屈指のダイバーたちを招く遺骨収容プロジェクトが始まる。同時期に実施する追悼集会には韓国政府関係者が来日する。「現地に来て悲しみを共有してほしい」という井上共同代表の訴えを、日本政府はいつまで無視し続けるのか。なお、この追悼集会には、文在寅(ムン・ジェイン)元大統領の参列もささやかれている。         (栗)

 

【編集長の誓い】創刊20周年を迎えて

おかげさまで、新聞うずみ火が創刊20周年を迎えました。2005年10月、当時の小泉純一郎首相による「郵政選挙」で自民党が300近い議席を取り、憲法が改悪されるのではないかと危機感を抱いた仲間たちと「誰もが暮らしやすいと感じるような社会にするために何かできないか」と語らったのが発端。あれから20年、残念ながらこの社会はどんどん悪い方向へ転がり落ちているとりわけこの10年、時の政権によって「国のかたち」が大きく変えられた。2015年に安倍政権が成立させた「安全保障関連法」は「集団的自衛権の行使」を容認し「戦争ができる国」に。22年には岸田政権が専守防衛を逸脱しかねない「敵基地攻撃能力の保有」を認め、「戦争をする国」になった。GDP1%以下に抑制されていた防衛費も、23年度から5年間に43兆円に引き上げられている。事実上、GDPの2%となり、世界第3位の軍事大国に。また、「防衛装備移転三原則」で、殺傷能力のある武器の輸出が可能になった。憲法9条がどんどん骨抜きされているのが実情だ「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。だが戦争を知らない世代が政治の中枢になった時はとても危ない」。かつてノモンハン事件に出征経験がある田中角栄元首相はこう語っていた。戦後80年、国家や民族の優越性をことさらに言い立てる政治家が増え、ますます危ない時代になった右傾化の流れを前にして無力感にさいなまれることもある。だが、そんな時、恩師である黒田清さんの言葉を思い浮かべる。「戦争の対極にあるもの、それは人権社会。この社会を人権社会に近づけることが戦争を遠ざける道だ」。あきらめることなく、21年目へ。 

 

【副編集長ブログ】黒田さんが訴えたマル社会

参院選投開票日前夜、事務所すぐ近くで参政党の「打ち上げ」街宣があった。おぞましいフレーズに合いの手の拍手が沸き起こる。恐怖を覚えた。

気を取り直し、この日、久しぶりに開いたのが「みんなのために 自分のために」(解放出版社)。黒田清さんが手がけた「窓友新聞」で1990年1月号から始まった長期連載「90年代社会」の一部を書籍化したもので、「窓友新聞」に転職する前の私は、一読者として毎月、紙面でこの連載を読むのを楽しみにしていた。

◯社会=マル社会とは何なのか。前書きで黒田さんはこう記している。

〈戦争中までのタテ社会に代わって、日本社会の基盤となったはずの民主的ヨコ社会も、一人一人の個人、一つ一つの団体が、お互いに垣根を作り孤立している間は隙間だらけの社会であり、その隙間に差別が入りくんでくるということです。

では、どうすればいいのか。タテは駄目、ヨコでもアカンというのなら、1990年代の生きかたは「マル社会」でなければならないのではないか。 「マル社会」は、生き方も考え方も同じ人たちが手をつないで丸くなって生きることではありません。それぞれが自分の生き方、考え方を大事にしながら、違った生き方、考え方の人たちが手をつないで生きる社会です。それが自分のため、そして同時にみんなのためになるのです〉  

黒田さん、「窓友新聞」が活動の柱とした反戦反差別。後継を自認する「新聞うずみ火」もそれを標ぼうしてきた。でも、マル社会はさらに遠ざかってしまった。敗戦80年の節目だというのに。

それでも、地道にやり続けます。読者と共に。まもなく創刊20年。

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