「維新のどこが嫌いですか」。前堺市議の野村友昭さんに尋ねたことがある。開口一番、野村さんはこう答えた。「嘘をつくところ」。だから議論にならないのだという。3月10日に淀川区内のホテルで開かれた維新のタウンミーティングでもそうだった。吉村知事は支持者に向かって、「維新の行財政改革で財政破たん寸前だった大阪は救われた」と得意げに語っていた。ほんまかいな。関西学院大の冨田宏冶教授は共著「日本維新の会をどう見るか」(学習の友社)の中でこう書いている。「橋下氏、松井氏と2代続いた維新府政は、府民に直結した医療、福祉、子育て、中小企業支援などの財政支出を次々と削除した。その額は、2008年からの7年間で1551億円」。ところが、府の財政は一層危機を深刻化させ、府の借金残高は5848億円増加。この結果、12年度から18年度まで府債の発行に総務相の許可が必要とされる起債許可団体へと転落したという。さらに、吉村氏は「大阪市立小・中学校給食の無償化、私立高校の無償化も実現した」とアピールしていたが、これも嘘。いずれも国からの交付金などで実施されている。極めつけは夢洲カジノだろう。「大阪経済を成長させて収入を増やす将来への投資」と語っていたが、それこそが「負けることが見えた」バクチだ。土壌改良費だけで788億円。ここに地盤沈下対策費が加われば「大阪は破たんする」と立命館大の森裕之教授も指摘している。▼4月9日に迫った統一地方選。大阪は府知事と市長、府議選と市議選の「4重選」だが、維新の独占を許すと、4年後までに大阪市は消滅するのではないか……。「都構想」の住民投票でみせた市民力が今こそ問われている。これ以上だまされたらあかん。 (矢)