河井前法相と妻の案里参院議員が公職選挙法違反の罪で起訴された。昨夏の参院選をめぐり、地元の県議ら100人に約2900万円の現金を配った買収の罪である。

案里陣営に自民党から振り込まれた選挙資金は15000万円。うち12000万円が政党交付金だったことも判明している。いうまでもなく、私たちの税金である。

この大金が大規模な買収事件につながったのではないかとの疑念は晴れない。安倍首相は「責任を痛感している」と口先だけでなく、きちんと説明責任を果たすべきだ。と言っても、聞く耳はお持ちではないだろうが…。

夫妻の起訴によって事件の舞台は法廷に移る。公判の争点は現金提供の「趣旨の立証」だという。現金提供は参院選の投票4カ月前から始まっており、自民党のベテラン議員の認識では「選挙から1カ月以上前なら買収に当たらない」(9日付朝日新聞)。

公判は公選法の規定で「百日裁判」になる。東京地裁は起訴から30日以内に初公判を開き、100日以内に判決を言い渡すよう努める義務がある。とはいえ、夫妻は捜査段階から一貫して買収の意図を否定しており、受領者は100人にも上っていることから証人尋問にも時間がかかりそうだ。

さて、現金を配った側が起訴されるのは当然だが、受け取った側はおとがめなしというのはどうも釈然としない。通常の買収事件ならば、受け取った側も立件した上で不起訴にするかどうか判断するのが一般的ではないか。しかもこれまでに辞職したのは、安芸太田町、三原市、安芸高田市の首長3人のみ。河井夫妻に議員辞職を迫るためにも、残る居座り議員らも潔くお辞めになることだ。こちらも聞く耳は持つまいが…。