熊本県南部を中心に襲った豪雨で球磨川が氾濫し、いくつもの集落を孤立させた。

甚大な被害を出した八代市や津奈木町で暮らしている「新聞うずみ火」読者に安否確認の電話を入れたところ、いずれも不通。お見舞い状を送ってから数日後、八代市のTさん(82)から電話が入った。「私たち二人は大丈夫です」

八代市は2005年8月に八代郡坂本村など周辺の5町村と合併し、県下で天草市に次ぐ2番目の広さを誇る。

最大震度7を記録した16年4月の熊本地震発生後に訪ねた読者の一人がTさんだった。「私たちが住む旧市街地はほとんど被害がありませんが、球磨川の中流に位置する坂本町(旧坂本村)は甚大な被害を受けています」

Tさんは元高校教師。豪雨で甚大な被害を受けた人吉市に4年、坂本町にも6年勤務したことで友人や知人、教え子も多いという。「集落の中には入ることができず、連絡が取れた友人と入り口で話をしましたが、川に近い住宅などは壊滅状態だそうです」

熊本地震直後にTさん夫妻も一時的に避難した旧市街地の体育館には、球磨村や坂本町の孤立した集落からヘリコプターで次々と住民が運ばれてきているという。「妻がボランティアで30分ほど、高齢者のお世話をしたり、子守をしたりしていますが、『今までにない水害で、集落はもう立ち直れない』という生々しい話を聞いたそうです」

豪雨発生からまもなく1週間。まだ3人のうずみ火読者の安否の確認が取れていない。