きのう116日、安倍首相らが出席し衆院予算委員会で行われた集中審議。相次ぐ閣僚の辞任、大学入学共通テストへの英語の民間試験の導入延期などをめぐって激しい論戦が期待されたが、ふたを開けてみれば首相はノラリクラリ。

就任間もない重要閣僚の辞任を、安倍首相はどこまで深刻に受け止めているのか。菅原前経産相と河井前法相については「政治とカネ」などにまつわる問題がこれまでに報じられていた。それでも任命したのは「適材適所」と強調。任命責任について「責任を痛感している」と言いながら、その責任は「行政を前に進めることに全力を尽くすことで果たしていく」と、これまでと同様の言葉を繰り返すばかり。

また、いまだ説明責任を果たしていない菅原氏と河井氏に指導力を発揮するよう求められても、「政治家として自ら説明責任を果たすべきだ」と本人任せに終始。国会軽視は相変わらずのようだ。

一方の野党も攻め手を欠き、萩生田文科相に「『身の丈発言』でいろいろな人を傷つけた。自ら辞任されるつもりはないか」と質問する始末。加計学園疑惑でも知らぬ存ぜぬを通し続ける御仁が「はい、辞めます」と言うわけがないではないか。

けさ、野党の質問よりネット上で注目を集めていたのが、国民民主党の小沢一郎氏のツイッターだった。

「総理は、閣僚が法を破ろうが何をしようが、実は何とも思っていない。直後はしおらしい演技。しばらくするとけろり。反省ゼロで何度も繰り返す」と指摘し、こうも呟いている。

「不正が多すぎて国民の中にも免疫ができつつある。自分たちがやりたい放題やるために、国民を不正に慣れさせ、政治への関心を失わせることが最終目標だろう」

的を射たつぶやきだが、ボヤくよりも国会で与党を追いつめる論戦を期待したいものだ。

集中審議について、けさの朝刊の扱いはバラバラだった。社説でも取り上げ、批判したのは朝日と毎日だけ。産経は「英下院解散 総選挙」の方が大事なようで、1面で紹介していた。

「安倍一強」でますます低下する国会の存在感。私たちが軽くあしらわれているということでもある。政権の不正に慣れてたまるか。(矢野)