日本維新の会の岸口実、増山誠氏、白井孝明の兵庫県議3人が2月23日に神戸市内で記者会見し、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に情報提供したことを事実上認めた。斎藤元彦知事の疑惑を追及する百条委員会の委員だった竹内英明元県議がSNS上での誹謗中傷を受け、自殺に追い込まれて1カ月。その一因とみられるデマ情報を漏らした罪は深いが、音声データと元西播磨県民局長(故人)の真偽不明の私的情報が書かれた文書を手渡した増山氏は「立花氏がデマを言っていたとは認識していない」と語るなど、悪びれた様子はない。立花氏に頼ってまで斎藤氏再選を目指したのはなぜか。元県民局長が告発した七つの疑惑の中で気になるのが、2023年11月の阪神・オリックスの優勝パレード資金について「必要経費を補うため、信用金庫への補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせた」との告発。県の金融機関向け補助金を当初の1億~4億円に増額。引き換えにパレードへの寄付を信用金庫に要求したのではないかというのだ。パレードは、県と大阪府がクラウドファンディングで費用を賄うことにしたが、目標額の5分の1にも届かなかった。というのも、大阪万博のPRにとの思惑が透けて見えたからだ。▼この還流疑惑を百条委で調べられたら困る輩がうごめいた。3県議のほか、県信用保証協会の理事長だった片山前副知事も。▼そういえば、斎藤氏再選を受けて、大阪府の吉村知事はこう語っていた。「知事に不信任決議を出した議会が、百条委を継続する正当性はあるのか」。目的を達成するためには手段を選ばない維新の卑劣さ、モラルのなさが垣間見えた事件。もうだまされたらあかん。 (矢)