家族2人が1月末に新型コロナウイルスの感染したことがわかった時、翌日からホテル療養に入ることができた。治療を受けることもなく10日間缶詰め状態にされただけだったが、感染者ともども自宅での隔離をまぬがれた。大阪市民でなくて良かったと思ったものだ。

その後、3カ月足らずで状況はさらに悪化した。

「ひっ迫なんてものではなく、大阪の医療はすでに崩壊している」と力を込める医師、高熱に苦しみながら入院もできず自宅療養を余儀なくされた感染者、過労死ラインを超える残業続きの保健師、53もの病院に受け入れを断られ陽性かもしれない発熱患者を4時間救急搬送した救急隊員。大阪はなぜここまで新規感染者が増えたのか。

住民の命と健康がここまで軽視される大阪にしたのはこの10年の維新政治だ。看護師が足りないと滋賀県にまで迷惑をかけた吉村知事、大阪府医師会の看護学校への補助金を廃止したのは誰ですか。23億5000万円かけて大阪コロナ重症センターを設置した吉村知事、大阪市立住吉市民病院を潰したのは誰ですか。

昨年9月以降、コロナ対応そっちのけで大阪市を廃止する「都構想」の住民投票に狂奔。再び否決されると、2月の府議会・市議会で「都構想の簡易版」と言われる広域一元化条例の成立を優先させた。強いリーダーを演じれば人気が上がると味を占め、打ち出したのは「大阪ワクチン」「大阪モデル」「イソジン発言」など。追及されると、決まってテレビ出演。質問を挟ませないように早口でまくしたてての「吉村劇場」。で、大阪市長は何しとんねん。(矢野)