高市早苗首相は憲法改正に向け、来春までの改憲発議にめどをつけると宣言した。現職総理が日程を決めて改憲の旗を振るのは憲法の尊重擁護義務違反だが、首相は「改憲ありき」で突き進む。その意をくむ与党は憲法審査会で、賛同が得やすい大災害やテロなどを想定した「緊急事態条項」の議論を先行している。緊急事態への対応で必要なものは何か、戦前にどんな悲劇をもたらしたのか。『戦争と法』(岩波新書)の著者、永井幸寿弁護士に聞いた。
5月3日の憲法記念日。高市首相は東京都内で開かれた改憲派の集会にビデオメッセージを寄せ、「行うべきは、決断のための議論だ」と明言。それに先立つ自民党大会では「時は来た」と語り、「国会発議のめどが立ったと言える状態で、来年の党大会を迎えたい」と強い意欲を示した。
改憲項目の優先順位をどうするのか。高市氏は産経新聞のインタビュー(3日)で、改憲実現に向け、国民の理解が得やすいテーマを優先して議論する考えを示し、参院選「合区」解消と緊急事態条項の創設を挙げた。
緊急事態条項を改憲の突破口に、という動きは第2次安倍政権下でもあった。災害対応なら国民の理解が得やすいだろうとの思惑からだ。
緊急事態条項とは、大規模災害やテロが発生した時に国家権力を政府に集中させること。権力の乱用や人権侵害につながる恐れがあるとの批判が集まると、与党は国会議員の任期延長制を強調するようになる。
衆院の憲法審査会で14日、衆院法制局などがまとめた緊急事態条項のイメージ案が初めて示され、意見が交わされた。与党はこれをたたき台にして、改憲条文案の起草につなげたい考えだ。
与党に加え、国民民主や公明などが2025年6月にまとめた憲法改正の骨子案を踏まえた内容で、一見、問題がないようにみえる。だが、永井さんは「独裁を生みかねない」と警鐘を鳴らす。
「緊急事態を口実に国会議員の地位を固定化するだけでなく、日本は議員内閣制で多数派が首相を指名することから、首相を固定化することになりかねません。期間の上限がない場合、内閣が国会の多数派と一体になり、長期にわたって権力を掌握する『内閣独裁体制』の確立を可能にする制度です」
永井さんはこうも指摘する。「国会議員の任期延長制は、一昨年に韓国大統領が宣布した『非常戒厳』と比べれば、恐ろしいものではないかもしれませんが、ともに緊急事態条項です。権力乱用の危険が極めて高い点では、本質は同じです」
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韓国南西部の光州(クァンジュ)で1980年5月、民主化を求める市民たちが戒厳軍に鎮圧され、多くの犠牲を出した「光州事件」。民主化の原点と位置づけられ、韓国では「5・18民主化運動」と呼ばれている。発生から46年を迎えた5月18日、抵抗の拠点となった旧全羅南道庁前の広場で、政府主催の記念式が開かれた。
光州は広域市(日本の政令都市)で人口約140万人。かつて全羅南道の道都だった。
79年10月26日、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領が側近の中央情報部長に射殺され、18年に及ぶ軍事独裁体制が突然ついえた。民主化を求める声が高まる中、12月12日、全斗煥(チョン・ドゥファン)保安司令官らが軍事クーデターで国家権力を掌握。民主化運動を弾圧するため、非常戒厳令を全国に拡大した。
光州では80年5月18日朝、学生の抗議デモを戒厳軍が暴力で鎮圧。これに怒った市民らもデモ隊に加わった。当局は特殊部隊の空輸部隊(空挺部隊)も投入。21日、道庁前のメインストリート錦南路で戒厳軍がデモ隊に無差別発砲、多数の死傷者を出す事態に発展した。光州につながる主要な道路は封鎖され、通信も遮断。報道も統制された。戒厳軍の蛮行の前に、市民はやむなく武装して対抗する道を選ぶ。27日未明、戒厳軍は約300人の「市民軍」が立てこもる道庁を攻撃、制圧した。
後に真相究明のために設置された「5・18真相究明調査委員会」は10日間の死者を166人、行方不明者84人としている(2024年)。だが、実際はもっと多いとされ、正確な犠牲者数はいまもわからない。
生き残った人たちはさらなる弾圧を受けた。5・18関連で2699人が逮捕。激しい拷問を受け「暴徒」にでっちあげられた。一方、全斗煥は同年8月、大統領に就任。「5・18は北朝鮮とつながっている」とデマを流布した。
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大阪市を廃止し、特別区に再編するいわゆる「大阪都構想」の制度案をつくる法定協議会が設置される見通しとなった。大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)が次期知事選への出馬意向を表明したことで、慎重姿勢だった維新の大阪市議団も5月20日、法定協設置議案に賛成する方針を決めた。都構想は2015年と20年の住民投票で2度否決され、今回は「副首都構想」という新たな要素が加わる上、吉村知事は住民投票の対象を大阪市民から大阪府民へ広げる可能性を示唆している。実現すれば、政令市の廃止で直接影響を受ける大阪市民の意思の的確な反映が困難になり、憲法違反の疑義が生じる。
大阪市議会開会日の5月15日、議場では横山英幸市長が提出議案を淡々と読み上げた。「副首都・大阪にふさわしい大都市制度協議会の設置に関する協議について」など法定協設置に関連する議案4本が含まれており、同議案は22日に開かれる財政総務委員会で審議され、27日の本会議で採決される予定だ。
維新市議団は23年の統一地方選で都構想を公約に掲げていなかったため、4月から5月にかけて市内23区で実施した対話集会やアンケート、世論調査の結果を集約して賛否を判断するとしていた。維新市議団が重視する世論調査では反対意見が多く、17日投開票の大阪市議補欠選挙(西区選挙区)の結果も衝撃的だった。維新が圧勝してきた選挙区で自民党候補に163票差まで迫られた。
さらに、住民投票後の吉村氏の国政進出が取りざたされていたため、維新市議団が賛成条件として吉村氏の知事続投を要望。吉村氏が17日夜に次期知事選への出馬を表明したことを受け、維新市議団は18日に議員団総会を開き、賛成する方針を示した。ただ、吉村氏が知事選出馬の条件とする来年4月までの任期中の住民投票実施については同日時点で結論を出していない。
では今後、法定協が設置されると、議論はどのように進むのか。大きな懸念が二つある。
一つは都構想の議論と副首都構想の議論がきちんと区別できるのかという点だ。そもそも副首都構想は成立していない。自民党と日本維新の会が3月31日、副首都の実現に向けた法案骨子を策定し、協議を始めたばかりだ。
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4月22日、岩手県大槌町で大規模な山火事が発生した。1633㌶が焼失、人口の約3割の1558世帯3257人に避難指示が出された。古い住宅1軒が燃えたが死傷者はなかった。昨年2月に平成以降最大の山火事が起きた大船渡市から23㌔ほどだ。
訪問は「3・11」の取材以来だ。5月11日午後2時頃、町に到着した。美しい海が広がる吉里吉里の山裾の特別養護老人ホーム「らふたぁヒルズ」の裏山が焼けている。まだ焦げ臭い。木々が真っ黒に焼け、昼間でも不気味だ。
井上圭介施設長は消防団員でもある。「4月22日午後2時頃、山火事の一報で出火した小鎚地区の徳並へ行き、消火活動を始めてしばらくしたら吉里吉里が燃え出したと知り、あわてて戻りました」
夕方から56人とベッド60床を三陸園(吉里吉里の特養ホーム)に移動させたが、同園にも火が迫る。三陸園の入居者と合わせて110人をホテル「はまぎく」へ再移動させた。完了したのが23日の午前零時40分頃だった。「らふたぁ」は無事で5月1日には全員が戻れた。最高齢は102歳の女性。全員無事だったが、夜空を焦がす炎を見て悲壮感を漂わす職員もいたという。
大槌町消防団副団長の芳賀潤さん(61)は「らふたぁ」を運営する社会福祉法人の理事長だ。「小鎚へ全員緊急出動しました。風が強くとても抑えきれない。市職員を通じて自衛隊を要請しました。吉里吉里に戻っても風が風が巻くような感じで強い。山林の消火はあきらめて団員には民家を守ることに専念させました。消防団は22日から23日にかけて誰も寝ていません」
一帯は水が少なく消火栓の力が弱い。懸命の消火作業のさ中、5月1日に待望の雨が降り、翌日には鎮圧宣言が出た。通常の火災は構造物の火が消えれば鎮火だが、山火事は違う。土中で燃え続ける根が酸素に触れると燃え上がる。完全に消し止めるには掘って熱源に水をかけなくてはならない。鎮火宣言はまだだ。
大船渡火災の教訓も生きた。
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関東軍防疫給水部(731部隊)のペスト細菌兵器で殺された中国人被害者の遺族が4月、沖縄に来た。うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地前で沖縄の市民団体といっしょに「中国にミサイルを向けるな」と訴えた。日中友好・恒久不戦のために私たちがするべきことはなにかを、短い旅のほぼ全行程に同行して考えた。
日本の確定判決などによると、日本軍は戦時中、侵略先の中国で、ペストに感染させたノミを空からばらまいたりコレラ菌を井戸に投げ入れたりして無差別虐殺をはかった。湖南省・常徳市には、731部隊の爆撃機が1941年11月4日にペスト汚染ノミを穀物類に混ぜて投下し、市内や周辺の農村で少なくとも7643人が殺された。
その常徳市から来沖した遺族3人は4月5日、那覇市で証言集会に臨んだ。
当時12歳だった長兄と10歳だった次兄を殺された高緒官さん(81)は、証言をはじめてすぐに激しく泣いた。「2人の兄の死は両親を打ちのめした。父は涙をこらえて働きつづけ、母は涙が枯れるまで泣きつづけた」「戦争の残酷さとは、戦場の砲火だけではなく、ふつうの家庭を引き裂き、平穏な人生を壊してしまうものなのだと身をもって知った」。同席した常徳市の弁護士・裴敏さん(36)も泣きながら高さんの証言を訳した。
魯光躍さん(67)は伯父2人を殺され、「明るい性格で、困っている人がいればすぐ助けにいく人」だった母も感染の後遺症に生涯、苦しんだことを語り、徐愛民さん(57)は親族5人が殺されたことを証言して「私はこの歴史を決して忘れない」と話した。
私はこれまで、アジア各地の戦争被害者を取材してきた。どこも第1世代の多くは世を去り、証言者は子や孫、ひ孫の世代になっている。常徳市から来沖した遺族3人の中で最年長の高さんも、兄2人の生前の姿を知らない。
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戦時中の1942年に起きた水没事故で、朝鮮人136人を含む183人が犠牲になった山口県宇部市の海底炭鉱「長生炭鉱」。地元の市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」が4月30日、国会内で記者会見を開いた。2月に台湾人ダイバーの死亡事故が発生し、活動を休止して2カ月半。中断した潜水調査については来年2月まで再開の可否について議論せず、国による遺骨収容実現などを目指し、政府交渉に力を注ぐという。
刻む会は1991年に結成され、毎年、事故が起きた2月3日にあわせ、韓国から遺族を招き追悼式を開いてきた。遺骨収容・返還を目指し政府交渉にも臨んだが、「遺骨の場所が不明」「坑道の安全性が確認できない」などと取り合ってもらえなかった。
高齢の遺族を待たせられないと、刻む会はクラウドファンディングにも取り組み、2024年9月、地下4㍍の坑口を掘りあてた。協力を申し出た水中探検家の伊左治佳孝さんらが潜水調査を繰り返し、25年8月、初めて頭蓋骨などが地上に引き上げられた。海外のプロダイバー5人が集結した2月の遺骨収容プロジェクトでは初日の6日、2体目の頭蓋骨が収容された。
しかし、翌7日、追悼式のさなか、悲しい事故が起きた。台湾のダイバー、ウエイ・スーさん(57)がピーヤ(排気・排水塔)内でけいれんを起こし、死亡した。刻む会は全日程を中止、8日の記者会見で、活動をいったん中止すると発表した。
4月27日、事故の捜査を終えた宇部海上保安署から報告があった。スーさんは高酸素中毒で意識を失い溺死したと見られ、資機材に欠陥は見つからなかったという。
28日、刻む会は宇部で、30日には東京で記者会見を開いた。事故から2カ月半を経ての実質的な再スタート。東京ではこの日、政府交渉も再開した。記者会見は市民にも公開された。
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高市首相が4月12日の自民党大会で、改憲は自民党結党以来の悲願であり、来年の党大会頃までにはどの条文をどのように変えるか国民投票にかける状態にもっていきたいという趣旨のことを述べた。5月3日に開催された自民党をはじめとする改憲派の集会に寄せたビデオメッセージでも、「いま必要なのは決断のための議論だ」と訴えた。
国会の憲法審査会で、どの条文を改憲するかを詰め、どのような文章にするのかを明確にして国民投票を実施し、何としても改憲しようということである。これを受けて自民党改憲推進本部を中心に動きが活発になっていることは周知の通りである。
改憲を実現するために必要な3分の2を超える国会議員を先の総選挙で確保したことが、勢いをつけていることは言うまでもない。だが、政治は目の前のチャンスを活かさなければ、次などないことをよく知っているから、党員になおさらハッパをかけているわけである。
ただ、高市首相が常に名前を出して師匠と奉っている安倍元首相が、かつて教育基本法改悪を皮切りにウルトラ保守政策を次々と進めようとしたものの、国民の警戒を招いて、何もできなかったことを教訓に、世論動向を見ながら、支持率が高いうちに誘導しようとしている。
そして、憲政史上、初の女性首相としてだけではなく、改憲を実現した首相として名を残そうとしているのはミエミエである。
一方、維新は連立を組んだことによって高市首相を誕生させ、大臣は送らないものの政権与党となったことで、ここ最近は地方首長や議員のスキャンダルが次々と明るみに出て、大阪以外では完全に存在感を失っていた。
それこそ存亡の瀬戸際と言っていい状態だったのが勢いを取り戻し、連立合意をベースに政策推進のアクセルを踏んで踏みまくると、大阪弁で言えばいちびり、改憲でも自民党より軍国保守路線を叫び、自衛隊を「国防軍に」といって存在感を示そうとしている。違いを強調しておかなければ存在が見えなくなってしまうからである。
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トランプ大統領が「TACO」と呼ばれているのは、多くの方がご存知だろう。トランプ、オールウェイズ、チキン、アウト。「勇ましく相手を威嚇するが、その直後にいつもニワトリのように逃げ出してしまう」。最近ではTACOが動詞化していて、「イランとの停戦を延長する」などのコメントが出ると、「また、タコったな」(笑)。
これは中国に対して勇ましい発言をしたものの、レアアースが入らない、中国からの観光客激減という事態になって内心ではあわてながらも、謝罪も撤回もせず、知らぬふりを決め込む高市首相にも当てはまる。どちらも「Tで始まるタコ」なのだ。
「NECO」は私の創作である。「ネタニヤフ、エンドレス、コンフリクト、オン」。ガザに続いてレバノン、そしてイラン。ずっと戦争を続けているイスラエルの首相を揶揄したものだ。世界と日本はこの2人のタコと1人のネコに振り回されている。
まず「アメリカのタコ」について。2月28日に最高指導者ハメネイ師の殺害という形でイラン戦争を始めたトランプは、当初「戦争は96時間(4日)で終わる」と豪語したものの、すぐに「4〜5週間はかかる」と軌道修正。その後、4月に「イランを石器時代に戻してやる」と脅迫したかと思えば、5月に入ると「停戦に合意する」。
あまりの「行き当たりばったり」に世界が呆れ返っていた頃、トランプの周囲で何が起きていたのか?
それはファミリーたちが巨大なインサイダー取引に手を染めていたのではないかという疑惑だ。例えば、3月9日の米CBSインタビュー。トランプは「イラン攻撃はほぼ終結」と19時過ぎに発言。これをきっかけに原油先物が、1バレル=119㌦から81㌦に急落。逆に株式は急騰した。図の通り、この発言の前後で原油先物の取引量が急増している。
大統領が「イラン戦争はもう終わり」と言う20分前に、原油を空売り、株式を爆買いしておけば、一瞬にして巨万の富を築くことができる。
おそらく「事前に何を言うのか?」を知っている人物たちがいる。
イラン戦争の交渉団にジャレッド・クシュナーが入っている。この人物はイバンカの夫、トランプの娘婿でユダヤ系アメリカ人。ちなみにクシュナー家は長年ネタニヤフとの付き合いが深く、ネタニヤフがアメリカに来た時はクシュナー家に宿泊するという間柄。
「トランプから絶大な信頼を得て、20年のアブラハム合意を取りまとめた実績があり、ビジネス的アプローチもできる稀有な人物」なので、今回のイラン・アメリカ核交渉の一員に入っていると説明されている。
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1986年4月26日、ソ連(当時)のチェルノブイリ(チョルノービリ)原発4号機で原子炉暴走事故が発生した。まき散らされた放射能は、ウクライナやベラルーシを中心に強烈な汚染をもたらし、やがて日本をはじめとした世界中に広がっていった。
あれから40年の月日が流れたのである。主な汚染源であるセシウム137は、そのガンマ線により地面からの外部被曝をもたらすとともに、作物に移行した場合は体内に取り込まれて内部被曝をもたらすとされる。
事故によって原発から半径30㌔圏内の住民13万人以上が強制的に避難させられた。事故による死者数は、当時のソ連政府の公式発表では消防隊員など60名とされていたが、2003年に結成された「チェルノブイリ・フォーラム」は、事故後20年間の事故影響研究のまとめとして、「放射線被曝にともなう死者の数は、将来がんで亡くなる人を含めて4000人である」と結論している。実際のところ、正確な死者数はわからないのだ。そして現在も、避難区域の大部分は立ち入りが規制されている。
セシウム137の半減期(放射線を出す能力が半減する時間)は約30年であるから、事故発生からやっと半分以下になったとはいえ、依然として放射線を出し続けている。1~4号機の廃炉作業が進められてきたが、事故を起こした4号機の溶け落ちた核燃料の除去は、今も完了する見通しが立っていない。
事故炉は放射能を封じ込めるためにコンクリート製の「石棺」と呼ばれる構造物で覆われた。しかし、老朽化によって崩れる危険が出てきたため、今では2017年に建設された鋼鉄製の「新シェルター」で覆いなおされている。
チェルノブイリ原発事故は、国際原子力機関(IAEA)と経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)が策定した原子力事故の国際評価尺度で、初めて最悪のレベル7に当たるとされた。文字通り、史上最悪の原発事故として世界中を震撼させたのである。
事故当時、日本でも「反原発」「脱原発」の声が大きな広がりを見せた。ほとんどの書店に「原発本コーナー」が設けられ、原発推進・反対にとらわれず原発や原子力に関する多くの著作が並び、人々の関心を呼び起こした。各地で大規模な集会やデモが催され、議論も活発に行われていた。
だが、原発依存のエネルギー政策は改められるどころか、「ソ連の原発は日本のものとは形式が違う」「日本の原発は絶対に事故を起こさない」という主張のもと新設が進み、実験炉や研究炉を含んだその数は、54基に膨れ上がっていった。
「のど元過ぎれば熱さを忘れる」というが、年月の経過と共にチェルノブイリ事故の教訓は影を潜めていった。もちろん、「チェルノブイリ子ども基金」などの支援活動は今も続けられており、「反原発」「脱原発」を訴え続ける人々は常に存在していたが、日本社会においてチェルノブイリ事故は「過去のもの」となりつつあった。
そのような中、事故から四半世紀が経過した2011年、日本で福島第一原発事故が起きたのである。チェルノブイリと同様、国際評価尺度は最悪のレベル7に認定された。
日本社会が受けた衝撃は計り知れなかった。当時の民主党政権が「原発ゼロ社会」を掲げ、野党だった自民党をはじめとしたほとんどの政党も、敢えてそれに異を唱えなかった。ついに日本が脱原発に向けて舵を切ったかに見えたのだが、またしても「のど元過ぎれば熱さを忘れる」事態となってしまった。
……
戦時中、強制動員され、群馬県内の鉱山などで命を落とした朝鮮半島出身者を追悼する集会が5月9日、前橋市内で開かれた。「戦後80年を問う群馬の市民行動委員会」(「アクション80」)の主催。県内外から約100人の市民が参加し、犠牲者に花を手向けた。
追悼集会は22回目。県立公園「群馬の森」(高崎市)に「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑」が設置された2004年から、碑を管理する市民団体「追悼碑を守る会」が毎年開いてきた。2024年1月、県の行政代執行で追悼碑は撤去され、守る会は解散。追悼碑に思いを寄せる市民が結成した「アクション80」が引き継いだ。壇上には森の中の追悼碑の写真が掲げられた。
加藤昌克共同代表は、日本軍が1894年から95年にかけて朝鮮の農民軍を弾圧・虐殺した東学農民戦争(甲午農民戦争)などに触れ、「帝国主義の歴史観ではなく、民衆が持つ歴史観を勉強し、強制連行された人たちの歴史をより深く理解していきたい」。李和雨(リ・ファウ)朝鮮総連県本部委員長は「群馬でも中島飛行機地下工場をはじめ、多くの現場で想像を絶する苦役を強いられた。人間の尊厳が守られる社会を作り、歴史の否定や差別を許さず、真実を語り継ぐことこそ、亡くなられた方々への何よりの追悼だ」とあいさつした。
アクション80はこの1年間、フィールドワークや講演会などを積極的に開催。各地の団体や研究者らとの連携も深めてきた。この日は追悼集会に続いて、朝鮮人強制労働の実態に詳しい歴史研究者の竹内康人さんが「群馬での朝鮮人強制労働と追悼碑の意義」をテーマに講演した。
竹内さんは戦後50年に県内で初めて行われた実態調査、追悼碑に結実した経過を振り返り、その意義を強調。一転、破壊に至った背景を説明し、「歴史否定とどう向き合うか問われる時代になった。侵略や植民地支配を否定する動きの中、ミサイル配備など『戦争準備』が重なって進んでいる」と警鐘を鳴らした。
鹿児島県・馬毛島で進む自衛隊の巨大基地建設。地元の西之表市長が公約に反し馬毛島小中学校跡地を売却したことなどについて、市民30人が裁判で違法性を追及している。
これからも続く裁判、不動産鑑定などに費用が必要。公共訴訟の支援に特化した「CALL4」のクラウドファンディングで協力を呼び掛けている。
日本の障害者運動を長年リードしてきた安積遊歩(あさかゆうほ)さん(70)=札幌市=の人生に迫るドキュメンタリー映画『遊歩 ノーボーダー』が5月30日から大阪・第七藝術劇場で上映される。ロングラン上映を続けるヒット作『どうすればよかったか?』のプロデューサー浅野由美子さんの監督デビュー作だ。
物語の主人公、遊歩さんは福島市出身。生まれつき骨が折れやすく、幼い頃から何度も手術を受けた。学びをあきらめさせられ、障害や性別により差別する社会に憤りを抱えてきたという。19歳の時、「福島県青い芝の会」に出合い、22歳で親元から自立。障害者の自立生活運動の拠点、米バークレー自立生活センターで半年間学び、フェミニズムにも触れた。帰国後はピア(仲間)カウンセリングを紹介する活動を続けてきた。
1994年、エジプトで開かれた国連の会議で、障害者らに不妊手術を強制した旧優生保護法の差別性を訴え、国を動かす道筋を開いたことでも知られる。自身も40歳で妊娠・出産した。
監督の浅野さんは2022年、江別市で遊歩さんの講演を初めて聞いた。電動車いすから下り、横たわった遊歩さんは「破天荒で意志に満ちた人生」を語った。「奪われた自由を取り戻してきた過程、障害があるがゆえに否定された人権やセクシュアリティを肯定に転じてきた遍歴、愛と性を自らゲットしてきたパンクな生き方」にひかれた。
浅野さんが映像制作に関わるようになったのはその10年前。もし作品を撮るなら、複合差別を描きたいと思っていたという。終了後、「ぜひ撮らせてほしい」と願い出ると、遊歩さんは「ありのままを」と快諾した。「今までテレビなどの番組に何度も取り上げられてきたが、政治的な発言は禁止されたり、カットされたりと、障害者としての役割以外認められなかった」と。
2年間、遊歩さんに密着した。「遊歩さんは優勢思想も、戦争も根っこは同じだと言う。『争えない体』を持つからこそ、『この体が平和をつくる』というのが思想の現在地。ますます不寛容で閉じようとするこの社会に風穴を開けるヒントが、その生き方から得られると思う。生き辛さを感じているような人に見てほしい」
浅野さんがプロデューサーを務めたドキュメンタリー映画『どうしたらよかったか?』の監督、藤野知明さんが本作の撮影、編集、プロデューサー。再びタッグを組み、二人三脚で作品を世に出した。
インドのドキュメンタリー映画「わたしの聖なるインド」(ノウシーン・ハーン監督)が6月13日から大阪・第七藝術劇場で上映される。モディ政権下で台頭するヒンドゥー至上主義に抗議したムスリム女性たちによる、国家を揺るがす歴史的な抵抗運動の軌跡を描く。 (栗原佳子)
人口世界一のインド。ヒンドゥー教徒が80%と圧倒、続いてムスリムが14%を占める。
2019年12月、モディ政権はムスリムを意図的に排除する市民権改正法(CAA)を制定。市民権はく奪の危機感が高まる中、反対運動の拠点だったジャミア・ミリア・イスラミア大学に警察が乱入し、学生に襲いかかった。200人がけが、多くの学生が逮捕された。
これに対し、ムスリムの女性たちが、ニューデリー南部の居住区で座り込みを開始。日々の暮らしを営みながら100日以上、幹線道路を封鎖した。連帯の輪は世代や宗教を超えて全土に広がった。
ハーン監督は32歳。ムスリムだが、信仰から距離を置いてきたという。しかし、ムスリム女性たちの粘り強い抵抗運動、ヒンディー至上主義の実像にカメラを向ける中で、国の在り方を問い直し、アイデンティティに向き合った。
国内での上映は困難。編集中は、国際的な観客に向けて見せていくという思いが常に頭の中にあった」という。
23年に「山形国際ドキュメンタリー映画祭」で市民賞を受賞した。
一般社団法人「ひとことつむぐ」(足立須香代表理事)設立8年記念イベント「白崎映美&東北6県ろーるショー~『猪飼野』から『東北』へつなぐおもい」が5月31日(日)午後4時~大阪市阿倍野区の区民センター大ホールで開かれる。
第1部は、韓国伝統芸能団「カッチコルム」と百年芸能祭「鎮魂ちんどん隊」の演奏のあと、「原発賠償関西訴訟」原告団代表の森松明希子さんと「フツーの校長、市長に直訴!」の著者で元小学校校長の久保敬さん、足立さんによる鼎談「子どもたちへ 未来へつなげたいおもい」
第2部は、「上々颱風(シャンシャンタイフーン)のボーカルを務めた白崎映美さんと東北に思いを寄せるミュージシャンたちによる演奏。
入場料 5000円
連絡先 ひとことつむぐ(machinoyosuga@gmail.com)
マネーゲームの拡大 日経平均株価6万円台の到達、米国ダウの高騰などが目立ちます。大規模な金融緩和に加え、様々な投資優遇政策もあり、ヘッジファンドやアクティビイスト(モノ申す投資家)など投機家が暗躍し、マネーゲームが世界的に拡散しています。
タックスヘイブン タックスヘイブン(租税回避地域)の存在も大きい。バハマや英領ケイマン諸島、英領バミューダ諸島などは法人税、所得税、キャピタルゲイン税、相続税などが無税か非課税。パナマ、シンガポール、スイス、アメリカのデラウェア州、ネバダ州などにも多くの税優遇措置があり、超富裕層やファンドには天国そのもの。古い資料ですが、2018年時点で、米国の約150万人が約4兆㌦を預け、米国の金融資産80兆㌦の5%に匹敵か、それ以上との見方も。タックスヘイブンは、シティに代表される英国が背景に。また、その背後には、ロスチャイルド家に象徴される、ユダヤ資本があるとの見方も。東南アジアの超富裕層や著名なハゲタカファンドなどは、シンガポールを拠点に活動している例が多い。
世界経済の推移 第1次世界大戦の以前は、多くの植民地を持つ英国とフランスが世界経済をリード。特に英国は、海上貿易で稼ぐ世界一の経済大国で、ポンドが基軸通貨となる「金本位性」(1816年)を実施し、世界経済の覇者でした。第1次世界大戦で主役が英国から米国に交代。欧州各国の経済が衰退して、世界大恐慌(1929年)に突入し、英国はポンドと金の兌換を停止。その後、第2次世界大戦が勃発し、米国に大量の金が流れ込み、世界の7割を保持する。ただし、米国は農産物や工業製品が売れないため、マーシャル・プラン(経済振興策)を実施し、欧州の経済復興を助けて輸出増を目論みました。その後、西ドイツの急速な復興が目立ち、欧州向けの輸出を急拡大。日本も、米国が得意とした繊維や鉄鋼、さらに電化製品と自動車など米国向け輸出が急増。その影響もあり、米国経済は失速し、71年にドルと金の兌換の停止(ニクソン・ショック)に追い込まれました。それでも米国は、今でも世界一の軍事大国、経済大国であり、ドルに代わる基軸通貨が見当たらず、今日に至っています。現在は、金融業や情報産業が主力ですが、雇用増は期待薄です。日本のバブル崩壊(91年)、ポンド危機(92年)、東南アジアの通貨危機(97年)、リーマンショック(2008年)など、国際金融の混乱の背景には、常にマネーゲームがあります。参考までに、米国の対外債務は29兆㌦(25年末)です。
望ましい国際金融秩序 世界的な経済学者J・M・ケインズ(英国)は、国際情勢を的確に分析し、第1次大戦後の世界恐慌を予測。1944年のブレトン・ウッズ会議では金本位制の矛盾を指摘し、望ましい国際金融システムの必要性を提言。「貿易などの決済は、各国の中央銀行が管理し、貿易業者や銀行は中央銀行を経由する。一国の金融政策は、自国に最も適切な金利や資金供給をすべき」「短期的な投資には制限をかけ、その国の発展につながる長期的な投資は推進」「独自の国債通貨・バンコールを使い、貿易の黒字国も赤字国も収支均衡の義務を負うべき」と。私見ですが、その慧眼に驚くとともに、大いに参考にすべきと判断しています。
覚悟を持ってガイドを
知花昌太朗さんはホームページで
こう話している――
数年前、父が体調を崩してガイド
活動を引退したことをきっかけに、
地元で起きた戦争の悲劇を語り継ぐ
責任を感じるようになりました。
私は、戦争を知らない世代として、
自分の言葉で次の世代に平和の大切
さを伝えるガイド活動を始めました。
そしてこう続けている――
ガイドに込める思い
戦争から80年が経った今でも、チ
ビチリガマやシムクガマの地には深
い記憶が息づいています。
……
『浪華悲歌』に続き、溝口健二は同じ1936(昭和11)年に『祇園の姉妹』を撮った。どちらも依田義賢の脚本、山田五十鈴の主演。京の祇園に芸妓として働く姉妹を描いた。
姉(梅村蓉子)が梅吉といい、妹の山田五十鈴がおもちゃという源氏名。姉は義理や人情を大事にする昔気質の芸者だが、妹は男に都合よく遊ばれてたまるかと、男たちを手玉に取り貢がせる。そのせいで男たちから仕返しを受けて怪我を負う。見舞いに来た姉の忠告に「芸者みたいなもん、なかったらええんや」と叫ぶ。それは、『浪華悲歌』のラスト、恋人からも家族からも突き放されたヒロインが夜の街へと歩み出す挑戦的な表情のアップのラストと重なる。
金銭や愛欲が渦巻く世界で、したたかに生きる新しい女性像を描いた。脚本の依田によれば「(溝口は)人間の体臭が臭うよう描かなければだめ」といい、重ねて「かんけつ(奸譎)な人間を描いて欲しい」と脚本にはいつも厳しく注文していたという。
……
3月末に、オーストラリアから来日した知人と久しぶりに会いました。開口一番「日本はどうなっているの?」と言われました。オーストラリアでは中東情勢と石油危機一色だとのこと。それなのに日本に来たら、変わらぬ日常で驚いたと話していました。
アメリカとイランの戦闘終結交渉は進まず、日本は備蓄でしのぐ日々です。ナフサ不足もTBSの「報道特集」で専門家が警鐘を鳴らすも、政府がデマだとすぐに打ち消しました。どの情報を見ても、日本に安心できる量の石油は入ってきていませんし、何より備蓄がないナフサの不足は深刻です。政府は「目詰まり」と表現し、単なる流通の問題だとしています。
現実はどうなのだろうと、知り合い数人に仕事での状況を聞いてみましたが、「問題ない」と答える人はほとんどなく、規模の小さい企業から影響が出ている印象でした。SNS上でも建築関係で品薄や欠品を訴える投稿が増えていました。
それから1カ月。状況は悪化し続けています。それでも知人たちにオイルショックの話を投げかけても、関心を示す人は少数です。ガソリン価格を抑えるために早々に補助金を出して値下げをし、どんどん使わせているのですから、そんな空気になるのも仕方がありません。
当初は短期に終わると予想していたとしても、もはや「大丈夫」と言い続ける状況ではありません。政府はいつまでごまかしつづけるのでしょうか。他国の動きが早かっただけに、自国の対応の鈍さにため息が出ます。
……
「からすのパン屋さん」や「だるまちゃん」シリーズで知られる絵本作家で、工学博士でもあるかこさとし(本名・中島哲)さんは、8年前に亡くなりました。死の直前まで作品に取り組む姿勢は並々ならぬ信念にもとづくものでした。その一端を表現した作品の一つ『しろいやさしいぞうのはなし』を紹介します。
表紙と裏表紙には、森の中で一頭の白い子象を囲んで優しく見つめる象たちが描かれています。
南の国の深い森の中にたくさんの象が住んでいました。長老の象が村長です。元気のいい子やいたずらっ子の中に、ひときわ優しくておとなしい白い象「しろちゃん」がいました。「走ったり、おしゃべりしたりが上手にできないけど、いじめないで遊んでやってね」と、母象が頼みます。 けれど、どんな遊びをしてもすぐに泣いてめそめそするしろちゃんに、子象たちは「だめだなあ、よわむしだなあ、がんばらないと象の仲間になれないよ」と励ましたり慰めたり。しろちゃんはますますつらく悲しくなるばかりです。
絵本では、周りを元気な子象たちに囲まれて沈んでいるしろちゃんが描かれています。集団になじめないことは決して困ったことではありません。やってもできないことや苦手なことは誰にでもあります。しろちゃんはどうなってしまうのか……。
そんな時、村長さんがやってきます。皆の様子を見ていたのでしょう。「象には、鼻の細いのや太ったの、弱いものやわしみたいに年とったものもいる。その白い子は、力が弱くて走るのが遅くても立派な象の子どもで、みんなの仲間なんだよ」と諭します。
子象たちは納得し、しろちゃんも元気を取り戻してきた時です。微かな変な臭いを察知します。「燃える臭いです。大きな火事がやってきます」。それは、彼にしかわからない臭いだったのです。
……
「上方芸能」編集長
木津川計さんを偲ぶ
山形県鶴岡市 小林秀弥
雑誌「上方芸能」編集長を務めた木津川計さんが4月16日、大阪市内の病院で亡くなられました。90歳でした。
創刊5年後の1973年から200号で終刊を迎えた2016年まで、読者としてお付き合いさせていただき、時折、寄稿させてもらったこともありました。木津川さんの本名は坂本凡夫(つねお)で、「凡夫」と名付けた親を長らく恨んでおられたとのことに共感。家業の印刷会社を引き継いだ頃に「上方落語をきく会」を始め、まいたビラがあっちこっちに捨てられていたことを酔眼でぼやいたところ、店主に「捨てられないビラを作れ」と叱られたとのエピソードにも共鳴しました。
木津川さんの訃報は、山形県の地方紙には掲載されませんでした。
「上方芸能」終刊から10年経ちました。今、上方落語は大繁盛です。意思を引き継ぐ気骨ある噺家もいます。会話に大阪弁のまじる庄内・酒田市生まれとしては、上方落語の大黒柱でかつ「上方芸能」の応援団長だった桂米朝さんの落語にはひかれますが、今は「新聞うずみ火」にぞっこんです。
(ほんまでっか? ありがとうございます。木津川さんから高知空襲について話を伺ったことがあります。よく生き残った、と)
次世代の未来のため
軍備増強を許さない
大阪市西淀川区 高田博光
改憲や戦争に反対する一斉デモ「大阪環状線一斉スタンディング」が5月4~6日、大阪市内で行われた。朝日新聞によると、大阪在住の20代の会社員がSNSで呼びかけた企画だという。参加者は、思い思いに高市政権に警鐘を鳴らし、静かに各駅でスタンディングを実施した。政権批判報道がなかなかない中、私たちが進める平和活動と重なり関心を持った。
「こどもの日」に関するテレビニュースで、15歳未満の数は1329万人(4月1日時点)で、45年連続で減少し、比較可能な1950年以降の最低を更新したとあり、若者の将来展望に不安を覚えた。
一方、昨年3月に成立した軍拡財源法改定で、4月から防衛特別法人税が課せられている。個人には3月末、所得税法改定で、復興特別所得税を現行の2・1%から1・1%に引き下げ、その代わり各人に防衛特別所得税1%課す所得税法が成立し、来年1月から施行される。これは、私たちの平和的生存権や、戦争のために自分の財産を税金として取られたくないと考える思想良心の自由、幸福追求権、財産権に反するのではないか。
できれば、戦争協力の防衛特別法人税を払わない要求を、物価高にあえぐ労働者の賃金に回すよう労働組合に役割を求めたい。私たち一人ひとりが声を上げ、できることから活動を展開し、高市政権の進める軍備増強を許さない行動を、子どもたちの未来のために今こそ押し進めたいと思う。
(政府は相手の戦意をくじく抑止力を持たねばと言いますが、エネルギー自給率16%、食料自給率38%のこの国に戦争なんてできません)
最近、いろいろな物の値段が上がっている。ニュースでも「今月も何品目が値上がりします」などと報じられているが、そんなことは日々買い物していると痛いほど感じる。値上げの手口というものがある。チョコレートを例にとると、まず量が減ったり個数が減ったりと見えにくいところから始まり、気がつくと価格そのものが上がっている。値上がりした後に、また値上げが繰り返されるのだ。
買い物に行くと、用意したメモを見ながら必要な物を買い物かごに入れていくのだが、途中で手が止まる。メモに書いた物をすべて買い物かごに入れたら予算額をオーバーすると気づくのだ。なんてこった。パワーのある人は自転車で店を何件か回り、安い値段を探すこともできるだろうが、車いすドライバーは体力がもたない。結局、店内にゆとりのあるスーパー2軒とコンビニを利用することになる。
近頃のスーパーは品物の種類が豊富だが、ジャングルのような品出しをしたり、段ボール箱を使ってディスプレーしたり。購買意欲を盛り上げる効果があるそうだが、車いすでは通れないし手が届かない。仕方ないので、店員さんに声をかけて品物を持って来てもらう。本来ならあれこれ迷いながら選びたいと思うが、そんなことは言っていられない。
なぜ、単価の高いコンビニを利用するのか。例えば、コンビニでバナナ3本を200円で売っているとする。スーパーでは5本で150円だったら、どちらを買いますか。たいていは5本150円のバナナを手に取ると思いますが、私は3本200円を選びます。なぜか。一人暮らしの身にとって5本は多いから。腐らせてしまうかもしれないからです。
サラダやおかずなども小分けして売っているので助かります。食材を廃棄することを考えると、少々の割高は仕方ない、と。
少し気を紛らわせてくれるのがポイントカード。日々ポイントを貯めて会計の際に使うと、安く買えたという感覚を味わえるのです。ただし、期限切れによる失効には十分注意してください。
(アテネパラリンピック銀メダリスト 佐藤京子)
■平和学習・東大阪市立荒川小学校6年生
・日時 3日午前9時40分~
・演題 「パンプキン爆弾」
■大阪市教職員地域研修・中央区人権教育講演会
・日時 10日午後3時半~
・会場 ピースおおさか講堂
・演題 「空襲と人権」
■平和学習・大阪市立鷹合小学校6年生
・日時 16日午前9時40分~
・演題 「大阪大空襲」
■平和学習・枚方市立楠葉中学校全校生
・日時 26日午前11時50分~
・演題 「大阪大空襲」(1年)、「きくさんの沖縄戦」(2年)、「現在の国際情勢について」(3年)
■しおん会・かささぎ会共催憲法カフェ
・日時 27日午後1時半~
・会場 枚方市教職員組合書記局3階
・演題 「崖っぷちの憲法」
・参加費 500円
・連絡先 佐々木さん(090・9167・9872)
えらいこっちゃですわ。新聞うずみ火の創刊以来、20年にわたって印刷・製本をお願いしてきた印刷屋さんが廃業することに。デジタル化による「ペーパーレス化」、物価高が止まらず、地元企業や商店からのチラシなどの注文も格安のネット印刷に流れるようになり、中東情勢の悪化が追い打ちをかけたのだとか。印刷インクの主な原料は原油からつくられるナフサ。国際情勢が日常と地続きになっていることを否応なく突き付けられたそうです▼帝国データバンクによると、2025年度の印刷業の休廃業・解散は230件(前年度比36件増)となり、年間で最多を更新。負債1000万円以上、法的整理による倒産の91件と合わせると、年間300件超の印刷業者が市場から退出したことに。そんな厳しい印刷業界の中で頑張っている、いくつかの印刷会社に見積もりをお願いしてみましたが、これまでより数万円高く、納品も版下を渡してから3日後になるとのこと。あーあ▼高市政権が発足して7カ月。首相は威勢のいい言動を繰り返していますが、改善が見えない日中関係に加え、原油価格の高騰。一方で、防衛費を倍増させ、米国へのご機嫌取りと軍需産業への利益誘導。「時は来た」と息巻く首相の頭の中には改憲と戦争準備しかないようで、私たちの切実な声は目詰まりしているのか、届かないようです。さあ、週末もペンライトを手に街頭で声を上げよう。(矢)
1980年5月。当時、実家で購読していた朝日新聞朝刊1面が、スライドショーのように目に焼き付いている。韓国・光州は約10年ぶり。バタバタと一人、タクシーで回ってもらって以来だ。記念式中、旧全南道庁の扉が開くと同時に泉が湧き出すように次から次へと白衣のチマチョゴリの踊り手たちが姿を現し、乱舞する場面があった。『少年が来る』のハン・ガンさんの「死者が生きている人を助けている」という言葉を思った。 (栗)
4月16日(木)
矢野 午後、大阪暁光高校看護専攻科の講義「社会学」で、イラン攻撃の影響について話す。「戦争と医療を関連づけたことがなかったが、めっちゃ関係していることが、新たな発見だった」との感想が。
4月17日(金)
午後、新聞の折り込みチラシをセットするため、石田冨美枝さん、竹腰英樹さんが作業。ありがたい。夕方、教職員地域研修推進委員会事務局の濱崎宏之さんと中島理隆さんが来社。矢野と6月と9月の講演の打ち合わせ。夜、コリアNGOセンターの郭辰雄(カク・チヌン)代表理事と鶴橋で歓談。
4月18日(土)
午前、元うずみ火スタッフの森山晴佳さんが娘のさくらさんと来社。中学生になるのを機に長野県売木村から茨木市へ戻ってきた。矢野は「孫」と再会。
栗原 群馬・太田市の金龍寺で行われた太田空襲時の慰霊式とフィールドワーク取材。
4月23日(木)
新聞うずみ火5月号の発送日。金川正明さん、長谷川伸治さん、柳田充啓さんがチラシのセット作業。初めて参加してくれた稲葉暁子さん、大村和子さん、樋口元義さんが届いた新聞を封筒に入れていく。多田一夫さんも仕事を終えて駆けつけ、乾杯。
4月24日(金)
栗原 夜、大阪・十三のシアターセブンで映画「わたしの聖なるインド」のノウシーン・ハーン監督にインタビュー。
4月25日(土)
矢野 午前、正雀市民ルームで開かれた「摂津市教組OB・OG会総会」で、「高市政権で日本はどこへ向かうのか」と題して講演。
……
■6月13日「9条は平和外交の切り札」
うずみ火講座は「憲法を守るための緊急学習会」として、6月13日(土)午後2時半、大阪市北区のPLP会館で開きます。講師は関西大教授(憲法学)の高作正博さん。演題は「9条は平和外交の切り札」です。
4月の自民党大会で、高市首相は「時が来た」と語り、来春までの国会発議を目指すと表明しました。高作さんに「緊急事態条項」「自衛隊明記」の危険性についても解説してもらいます。資料代1000円、オンライン500円。
6月23日の沖縄フィールドワーク参加ご希望の方はお早めにうずみ火事務所にご連絡ください。
■7月11日「大阪都構想のウソとカジノ」
7月のうずみ火講座は11日(土)午後2時半~PLP会館で。テーマは「都構想」、カジノについて。
■8月1日「黒田清さんを偲ぶ会」
コント集団「ザ・ニュースペーパー」結成時のメンバー松崎菊也さんと石倉直樹さんを招いての「黒田清さんを偲び、平和を考える集い」は8月1日(土)、大阪府豊中市の市立とよなか男女共同参画推進センター「すてっぷホール」で開催します。
菊也さんからメッセージが届きました。
〈机の前に座って、ハテ、私は何をしようとしてたのだ? 齢73を過ぎてそういう日々が増えた(みなさんどうですか?)あれは忘れもしない……いつのことだったろう? ハテ、分からない(みなさんどうですか?)おおそうだ、黒田清さんを追悼する夏の日のための一言を書かなきゃとパソコンに向かったのだ。約束をしたから彼と。彼だよ彼、ホレ、声のいい、酒がやめられない、ホレ、うずみ火の矢野さんと、ホレ、開演前のあいさつなのに打ち上げの参加者を募る彼女、ホレ、栗原さん。矢野さんと栗原さんの名前がスッと出て来るから、まだまだやれますな!
今年は8月1日午後2時半から総理やら大統領やら息をするようにウソをつくやつらをぶったぎるライブを豊中ステップホールに持って行きまっせ。よろしゅ!〉
資料代は2200円(読者2000円)です。
なお、当日会場で配布するパンフレットの「一声広告」(1マス3000円~)、カンパを募集しています。無理のない範囲でお力添えをよろしくお願いします。